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2010年 07月 03日
感想_ザ・コーヴ
感想_ザ・コーヴ_b0130850_10171610.jpgベジタリアンになるしかないのか…? 『ザ・コーヴ』7月3日公開。和歌山県太地町。そこでは毎年イルカの追い込み猟が行われていた。小さな入り江に追い込まれたイルカは、水族館など用に高値で取引され、それ以外は食用として捕獲される。その事実を多くの日本人は知らない。かつてイルカの調教師だったリック・オバリーは今ではイルカ保護の観点で活動している人物。イルカを解放するため太地町に入るが、入り江での撮影は禁止される。そこでは何が行われているのか。なぜイルカは殺されているのか。
映画「ザ・コーヴ」オフィシャルサイト

アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞し、しかしその内容から賛否両論を集める本作。日本公開に関してもすったもんだあっただけあって、確かに衝撃的な内容でした。でも別に反日とかじゃ全然ないな。前半は、撮影を頑に拒否する太地町への侵入を試みる撮影スタッフの様子が、サスペンスタッチで描かれる。隠しカメラ、深夜の侵入、地元民との諍い。と同時に、リックとイルカたちとの関わりが紐解かれる。しかし、執拗に撮影を拒否する地元の人たちが怖い。ように描かれている。

最終的にイルカが殺され、入り江が、誇張ではなく文字通り血の海と化す様子は直視に耐えない。これが日本で行われているの? マジで? なんで?? 実は日本にはごく地域的にイルカを食用にする文化があるんだそう。知らないよね、そんなの。そりゃー見せたくないよ、こんなショッキングなシーン。

でもね、イルカだから食べちゃいけないのか、って話。牛も豚も鶏も魚も止めどなく殺して食べ続けているわけで。『いのちの食べ方』でもその様子は確かに描かれていた。このイルカを食べるという文化だって、そこに含まれる部分なんだろう。あまり一般的じゃないというだけで。そうなると、じゃあベジタリアンになるしかないのか、とか、いや、野菜だって命だろうとか、食物連鎖を否定しちゃ生きて行けないとか、そこまで話は飛躍しちゃいますわ。だいたい水族館でイルカショー見てワーキャー言うのも、おうちで犬猫鳥をペットにするのだって問題を含まないとは言えないわけで。

単純にイルカ可哀想だから止めて〜、とは言えないけれど、まさかすぐ近くでこういうことが行われていたとは。この作品の評価うんぬんは関係なく(評価なんてできません)、衝撃で息が詰まりました。

by april_cinema | 2010-07-03 00:00 | Starter


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