2010年 08月 07日
感想_セラフィーヌの庭
b0130850_8504193.jpg映画でわかる絵もある。『セラフィーヌの庭』8月7日公開。使用人として働くセラフィーヌは、絵を描くことが唯一の楽しみ。貧しい彼女は、家賃も滞納しがちな中、果物など自然のものから絵の具を作って描いていた。女主人からは見向きもされなかった彼女の絵だが、あるドイツ人美術家の目に留まり、日の目を見ることに。しかし、戦争、そして恐慌が、暗い影を落とす。
セラフィーヌの庭_TOP

実在の女性画家が、どのように発見され、そしてその生涯を終えたかに迫った伝記映画。フランスで大ヒットしたらしいけど、確かに良質な映画だったなー。セラフィーヌという画家を知らないボクでも彼女がどんな人物でどんな人生を送ったのかある程度わかったし、それを知ることで彼女の描いた作品たちの、表面上からだけではわからないストーリーに触れられたような気がするよ。実物を見る機会があったら、きっともっと深いところまで感じられる気がする。

セラフィーヌを演じたヨランド・モローはコメディ女優として知られているらしいけど、そんなとぼけた感じはおくびにもださず、不遇の時を送りながらも絵に魂を捧げたある種で無垢な女性を熱演。無口で無愛想、だけど信心深く最後には精神を病みながら、絵とともに生きた人生が刺さります。後半、痛々しさもあるけれども、ラストシーンの美しさは彼女の生涯に相応しいものだったんじゃないかな。

絵画はもちろんのこと、20世紀初頭のフランスの風景がまた美しいのね。川で洗うシーツや、くたびれたエプロン、セラフィーヌの部屋の画材や小物、商店などなど、アンティーク雑貨店をのぞいているような気分にも。細かいシーンの描写も丁寧で、初めて触れる人物なのに抵抗なく浸れました。絵やフランスが好きな人にはいい1本でしょう。
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by april_cinema | 2010-08-07 00:00 | All-Star


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