2010年 08月 07日
感想_シルビアのいる街で
b0130850_0561687.jpg実験的~。『シルビアのいる街で』8月7日公開。フランスの地方都市に滞在する男。ある地図を片手に、日々町の中を歩いて回る。カフェを訪れる女性客たちを観察し、ある女性に見覚えがあった彼は、彼女のあとを追う。彼は、6年前にこの町で出会ったシルビアとの再会を願っていた。
映画『シルビアのいる街で』公式サイト

なかなか興味深い映画だったなー。スペインの監督だけど、舞台はフランスの田舎町。美形の男が、よくわからないけど誰かを探しているらしいと。カメラは彼の視線の先の主観的映像と、彼がさまよう町を俯瞰する第三者的映像と、2つの視点から現在を切り出していく。この交差が面白い。すれ違う人々が持っているストーリーと、その集積である町の中のストーリーと、登場人物はごくわずかで何も語られていないのに、群像劇を見せられていると錯覚しそうな、多層的に感じる作品。行ったり来たりのクロスロード。そこは無限の人生、そして未来と過去が交差する。

音も、実際にカフェで演奏されているバイオリンだったり、ただの町のざわめきなどのノイズだったり、今その場にいるかのような臨場感があってよかったよ。物語は結局どこにもたどりつかずに幕を閉じていくのに、なんだかしばらく旅をしてきたような気分にもなるしね。

コンテンツらしいものはなにもないから観る人を選ぶけど、この実験的な試みには握手を求めたい感じ。不完全さも漂わせるけれど、全体の印象としてはおもしろかったなと思わせてくれた稀有な作品。スノッブといえばスノッブですが、一見の価値はあるんじゃないかと思うしだい。いやー興味深いぜ。
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by april_cinema | 2010-08-07 00:00 | Starter


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