2010年 09月 04日
以蔵、こんな凄かったのか! 『BECK』9月4日公開。不良のパシリをさせられる平凡でどうしようもない毎日。が、コユキは竜介とギターと出会ったことで埋もれていた特別な才能を開花させる。竜介、平、千葉のバンド「BECK」に友人サクとともに加わったコユキ。彼らの音楽はしだいに世界を変え始めていた。が、竜介に過去からの追っ手がやってくる。 9月4日(土)公開!『BECK』 典型的なマンガストーリーだわ(原作未読)。145分の尺に詰め込んでいるから明らかにトントン拍子のうまくいきすぎ。だから余計に。でも、良かった。なにが良かったって、コユキ演じた佐藤健君! 『龍馬伝』の岡田以蔵が評価高かったけど観たことなくて、『ROOKIES』も特に印象なくて、したらなにこれスゲーじゃん! マンガキャラゆえ多少オーバーにやってる部分はあるだろうけど、寡黙でその実、情熱を内に秘め、繊細で、そして世界を変える才能を持ったコユキを見事に表現できてたと思うよ。ただ自然体っぽくこなしているだけじゃない、役の理解度と表現力を感じました。歌っているときほかなにげない表情がすごく良くて(特に目がいいねぇ! この目は宝だと思う)、ライブであんま映ってないときでも探しちゃったよ。コユキが彼じゃなかったら、作品力が半減してたんじゃないかと。 水嶋ヒロ君は、長髪がこけた顔をより強調してて怖し。演技も一本調子でまるでモノ足りず。この人、器用だけどやっぱ色のある役には向かないのかな。向井君はキャラが美味し過ぎで、桐谷くんは流石の技量。中村蒼君は出番少なし。忽那ちゃん、帰国子女だったのね。流暢な英語を活かして魅力たっぷり〜。カットを観るだけだと原作イメージに近そうだけどどうなんでしょうか。堤さん、『20世紀少年』に続いて見た目にこだわったのか?(そして20世紀少年よりはおもしろかった) まーなんつっても演奏シーン、ライブシーンでしょう。あえてボーカルも歌詞も消して、バンドサウンドだけで勝負するスタイルは、原作へのオマージュなんですってね。てっきりコユキの奇跡の歌声をラストのライブにぶつけてくるもんだと身構えてたけど、それがなしなもんだから「えーー!」って拍子抜けたけど、それでも心を撃つだけの力はあったと思う。アングル、カット割り、エフェクト、すべてが堤ビジョンて感じで盛り上げてくれてて。賞味期限はやや短そうな感じもするけど、でも少なくとも今観る分には良かったわー。それ以外の余計なストーリーはもっと端折っても良かったけど。レオン・サイクスとのやり取りとかね。ただ、原作読んだ人には、ボーカルレスは逃げだという評価も多いみたい。確かにどんな声なのか聞きたかった。しかもエンディングがオアシスってのが完全にアウト。三十路過ぎのわっちら世代にはど真ん中ストライクすぎて気恥ずかしいばかりなりよ。 いやーでもやっぱ佐藤君に尽きるわ。佐藤君を堪能できたことだけでお腹一杯。『ノルウェイの森』のワタナベを演ってほしい人ナンバーワンになりました(これ、オレん中では最大級の賛辞)。ただ、身長170センチってのがなー、将来的に見て役を限定しかねないんだよなー。惜しい。でもアミューズだし、きっと大切に育てられていい役者になっていくに違いない。超期待大!
by april_cinema
| 2010-09-04 00:00
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