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2010年 10月 02日
感想_スープ・オペラ
感想_スープ・オペラ_b0130850_056898.jpgこういうのってホント難しいのね。『スープ・オペラ』10月2日公開。叔母のトバちゃんと2人、庭付きの古い家に暮らしていたルイ。毎日おいしいスープを2人ですすりながら日々を送っていたが、突然トバちゃんが結婚して家を出ることに。1人になったルイだったが、ナゾのおじさんトニーさんと、編集者なりそこないの男の子まで転がり込んで来て…。
映画『スープ・オペラ』公式サイト
ああ、そういや『オカンの嫁入り』も始まりはそんな設定だったっけ。

うーんうーん、なにが悪いのかわからないけれど、良くもない。究極的に可も不可もない。いや。どっちかといえば可のほうだと思うんだけど…心には響かなかったぞ。キャラクターたちは愛せるし、演じている人たちも悪くない。衣装・美術に小道具、そして料理だってキュートだった。メリーゴーランドを使ったプチファンタジーなところも味わいがあったと思う。でも特に惹かれないんだよなぁ。もしかしてそもそも原作小説がおもしろくないのでは?と訝ってみたり。原作は阿川佐和子。未読。

でもな〜強いて言うと、楽しくないのだ、ルイが。それはルイの描き込みが足りないからではないだろうか。ルイがどうして今まで独りだったのか。見た目も悪くないし、作るスープは美味しいし、一人でいなければならなかった理由が見えてこない。両親がいない→誰とでもうまくやってけてしまう、このふたつのキーワードをつなげるような背景がなかったからかも。そして、誰とでもうまくやっていけるようになってしまったことからくる弊害というのが、この映画のテーマに据えるべきポイントだったんじゃないのかな。それが浮き立つことで「孤独」の輪郭がはっきりして、それによって「つながり」というものが見えて来たんじゃなかろうか。

知った風なことを言ってしまいもうしたが、まあそういうことだ。ルイが薄いから、ルイが誰とどうなろうと知らんのだ。残念だ。雰囲気はいいだけに。ほんと、こういうプチファンタジーって落としどころが難しいよね。でも、人は独りじゃないんだぜ。

by april_cinema | 2010-10-02 00:00 | Starter


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