2010年 11月 06日
嫌悪感と、……あとなんだろう? 『スプリング・フィーバー』11月6日公開。南京。2人の男が肉体を貪る。一人の男には妻がいる。妻は、夫の浮気を疑い探偵に調査をさせていた。探偵の男は調査をへて、やがて浮気相手に惹かれ始める。探偵には恋人がいるにもかかわらず。 映画『スプリング・フィーバー』公式サイト こりゃなんと言っていいやらわかりゃしませんぜ。初っ端早々から同性愛の絡みシーンで始まり、ノンケのわっちは嫌悪感を抱かざるを得なかったんだけど、段々と目が離せなくなってくるという不思議な展開。映像に強さがある。登場人物の感情は、単純には理解できないの。なぜ男と浮気するのか? 探偵までなんで惹かれちゃうのか? なんで3人で旅に出てるのか? でも行動ってのはそういうもんかもしれない。他人にきちんと理由を説明できるほどの行動なんて実際ほとんどないし、説明しようとすればきっと本当のこととはかけ離れていくし、なにより自分自身にも説明なんてついていないんだから。強いて言うならば「なんとなくそうなった」だけなんだろう。それは多分国境も性差も越えて共通事項なのかも。だから、理解はできないし嫌悪も抱くのに、切り捨てることはできないんだよね。自分に置き換えることはできないからといって、否定はできないのだ。この映画を。もがくしかない、この痛さ。 一般的とは言い難いのに、なぜかリアル。それはゲリラ的な撮影手法も助長しているはず。監督は、中国当局から5年間の撮影禁止を喰らいながらも資金を得て勝手に撮影したという曰く付き。結局人は誰かを求めずにはいられない。そんな一抹の淋しさと、それでも生きていく強さ。アンバランスさとあわせて、実に人間くさい1本。強い映画。全然好きにはなれないけどね。
by april_cinema
| 2010-11-06 00:00
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