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2010年 11月 20日
感想_ゲゲゲの女房
感想_ゲゲゲの女房_b0130850_19135672.jpg長く続けるって偉大だなぁ。『ゲゲゲの女房』11月20日公開。お見合いから5日後、しげると布枝の結婚生活はぎこちなく始まる。漫画を描くしげるだったが、収入は少なく、2人の生活はとんでもなく貧乏。布枝は漫画のことはわからない。でも、少しずつしげると、しげるの仕事に敬意のようなものを感じ始めていた。
映画『ゲゲゲの女房』公式サイト

水木しげる先生の奥様がお書きになった自伝はスマッシュヒット、朝ドラの記憶も新しい本作品。いやーしみじみと染みて来る映画でした。布枝さんの目線が丁寧につづられて、まるでうだつのあがらない先生に対しても、愚痴をこぼすでもなく、見下すでもなく、しっかりと支えて後ろをついていく。その姿は女性らしい慎ましさとか奥ゆかしさとは少し違った、人としての気品を感じさせます。先生の漫画への姿勢も素敵だしね。

人と人はいかにして夫婦になっていくのか。いいことも、悪いことも一緒に向き合い乗り越えていくこと。どんな貧乏も、どんなピンチも、腹のたつことも。小さなエピソードを淡々と積み上げながら、ふたりの感情だって決して大きく前に出てこないのになんだかいい感じ。妖怪たちがしれっと実生活の節々に現れてくる演出も、最初はうっかり見逃してたけど、なんだかほほえましいアクセントだったし。

途中、あれ、この時代にこんな建物ないんじゃないの?みたいなのも出て来たけど、それはあえて消さずにやったんですって。あくまで2010年の映画として再現できる範囲を再現しようとしたとか。ま、ちょっと原作も読んでみたいと思いました。地味な良作です。

by april_cinema | 2010-11-20 00:00 | Starter


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