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2010年 11月 20日
感想_黒く濁る村
感想_黒く濁る村_b0130850_811364.jpg20年会っていなかった父の訃報を受けて、"その村"を訪れたユ・ヘグク。しかし死因を知ろうとすると、村長のチョンと取り巻きの3人から煙にまかれ、早く帰った方がいいと促される。不穏な空気を感じたヘグクは、父の土地が村長名義に書き換えられている事実に気づく。この村は、なにかが狂っている。
映画『黒く濁る村』公式サイト

韓国のネット発のサスペンスで、向こうじゃ相当な観客動員を誇って大ヒットしたそうな。韓国のサスペンスっつーとここ最近も衝撃作続々だからこれはヤバイんじゃないかと期待してたけど、どうも毛色が違ったな。なんつーか、あからさまにおかしすぎるんだよね。不穏さっていうのは、基本的に平凡や日常の中に隠されているように見えるからこそ不穏なわけで、あきらかにヤバそうな村長とその取り巻き、ってんじゃ緊張感がないっす。

展開もかなり乱暴。人が何人か死ぬけれど、その死に方はどうもリアリティがないし、とにかく登場人物の行動1つひとつに説得力がない。説得力のないサスペンスはどうしても長く感じてしまうわな。なんせ150分を越える長尺だけになおのこと。役者たちはチカラ入ってると思うけど、ストーリーがそんなだからなんとなく空回りですわ。

極めつけは、いまいち教訓らしいものも得られないということ。根本にあるのは人々の素顔の裏にある欲望ってことになるんだろうけど、素顔そのものが、もろにワルだもんな。そしてその欲望の発露の仕方がかなりストレートすぎて、今っぽっくない。うんそう、今っぽくないのです。エンターテインメントとしても弱い上に、オチにもぱっとしたものがないとなると、いまいちどこをどうお勧めしていいかわかりませんわ。宗教性みたいなところもポイントなのかな? ちょっとどう解釈していいかわかりづらい作品でした。

by april_cinema | 2010-11-20 00:00 | 6th-man


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