2010年 12月 04日
ぶつ切りな印象。『武士の家計簿』12月4日公開。江戸時代の終わり、加賀藩の「算用者」として代々召し抱えられる猪山家。直之は「そろばんばか」と言われながらもその才能で重用される。しかし、猪山家にはある事情があった。それは当時の武士たち独特の事情による借金。それに気づいた直之は、家財道具を売り払い、倹約生活を始める。"武士は食わねど高楊枝"のような体面を繕うことはせず、ただ、家を、そして家族を守るために。 12月4日(土)公開『武士の家計簿』オフィシャルサイト 混迷の現代に、時代劇の中の人物からヒントをってのが最近のトレンドなのでしょうか。この映画、一風変わった時代劇。フォーカスされるのは幕末の英雄でもなく、歴史的事件でもなく、あるひとりの下級武士。御算用者とは、会計係のこと。今でいう経理ですね。加賀藩は150人もの算用係がいたってことで、大部屋に並んだちょんまげさんたちが一斉にそろばん弾く姿はなんだか笑えます。そういう知らない江戸文化の一面を見られるのはけっこう楽しい。 これ、実際の江戸の家計簿を研究した書籍が原作ということで、だからだと思うけど、ドラマ仕立てにはなってない(実話といっていいのか微妙なところ)。映画用に脚色してストーリーを作ったとは思うんだけど、それがすごく散漫なんだよなー。実は直之の一生分くらいが描かれてるので、数十年のけっこう長い期間なせいもあって、エピソードが点になってしまい、線になりきれてないのよ。ひとつひとつはいいと思うし、全体としても悪くないけれど、実際に映画として見ると流れが分断されすぎる。これ倹約しました。次これ倹約しました…、って感じで。 家と家族を守るために、倹約という戦をした直之の心持ちはわかるし、その息子・成之が、反発しながらも結局父と同じ道を行くことになったのも、直之の教えと愛情あったからこそ、というオチもいいと思うのに、もったいないかな。堺さんは時代劇もうまいのですねぇ、と感動しつつ、中村雅俊&松坂慶子という両親もコメディ部分を担いつついい感じ。もう少しストーリーがしっかりしたらとても好もしい映画になった気がするよ。独特のおかしみと味わいはあるだけに。
by april_cinema
| 2010-12-04 00:00
| Starter
|
アバウト
最新の記事
information
最新のトラックバック
カテゴリ
タグ
ヒューマン/ドラマ(331)
ラブ/ロマンス(287) ミステリ/サスペンス(252) 歴史/時代/人物/事件(206) アクション/アドベンチャー(203) コメディ(180) 家族(166) アニメ/コミック(164) 青春(141) SF/ファンタジー(139) 社会(129) 実話(121) 音楽/写真/アート/カルチャー(114) ガールズ(103) ドキュメンタリー(76) スポーツ(75) フード/アニマル(58) ロードムービー(45) ホラー(38) 群像劇(37) 検索
以前の記事
2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 more... その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||