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2010年 12月 18日
感想_ばかもの
感想_ばかもの_b0130850_8163888.jpgほんとにバカなんだから。『ばかもの』12月18日公開。ヒデが学生時代に出会った年上の女、額子。むさぼるように愛し合ったが、ある日一方的に捨てられる。額子が忘れられないまま自堕落に過ごすヒデは、いつしかアルコール依存症に。10年もの月日が流れ、ヒデは額子と再会するが…。
映画「ばかもの」公式サイト

『酔いがさめたら』に続いてのアル中もんですか。あっちは家族、こっちは恋愛。でもリアリティは向こうのほうがあったような気がするなー。原作は絲山さんで、読んでないけどなんとなくキャラクターや展開にそのエッセンスは感じられる気も。なんつうか、汚れ、もがき、落ちるだけ落ちた人間の奥底に残る感情みたいなのを容赦なくむき出して行く感じがさ。

でもそれがキャラに落ちてたかというとちょっと弱いんだよなー。確かにヒデの苦しみも理解できるし、年下の男を上手に愛せなかった不器用な額子にも同情できる。だけど、そもそもなぜふたりはそこまで惹かれ合い、10年もの時を越えて再会する運命にあったのか。そこの説得力が弱い。ストーリー上そうなってます、って感じで、このふたりには絶対に離れられないなにかがある風には見えなかったのよね。ヒデは性欲にあまりにも溺れてただけに見えたし、額子に関してはそれ以前の過去がないからどうもキャラつかみきれなかったし。なにを考えているのかわからない、とは違うところでなにかしら掘り下げが欲しかったな。2時間で納得させるためには。

周辺のキャラクターもやや浅く。全体に収め切れてない印象は拭えなかったかな。でも原作は悪くなさそう。けっこうきつい描写も多そうではあるけれど。わりと絲山さん好きだしね。

by april_cinema | 2010-12-18 00:00 | Starter


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