2011年 01月 15日
絶対に真似できない。『僕と妻の1778の物語』1月15日公開。仲睦まじく暮らすSF作家の朔太郎と妻の節子。朔太郎は小説とSFにいつも夢中で妄想ばかり。そんな彼を節子は優しく支えていた。この幸せはずっと続く、そう思っていた矢先、節子に癌が見つかる。余命1年と診断された節子をなんとか励ますため、いや、病気を治すために、朔太郎は毎日1編の小説を書き、彼女に読んでもらうことにした。 映画|僕と妻の1778の物語 これが実話かぁ…! 本当に途方もない愛情と心の強さに、頭があがりません。絶対に真似できない。晴れの日も雨の日も、ってそういうレベルじゃないと思う。フィクションとして観る分にはなんて良い話なんだろう、ですむけれど、実際にこれを実行なさった方がいると思うと、とてもとても。毎日小説を書くのはどれほど苦しかったろう。書くことがどうのこうのというよりも、その向こうに待っているかもしれない現実がいかに朔太郎を苦しめたか。最期には見送り、送られなくてはならない気持ちはいかほどか。映画うんぬんというより、もうその事実に尽きるとしかいいようがないかもしれません。もしかしたら、このあまりに過酷な現実から節子を救いたいという気持ちで書き始めた小説は、朔太郎もまた現実から少しでも目を逸らすための手段だったのかもしれないな。そんな見方はちょっと傲慢かな。原作ではどんなふうにつづられているんだろう。 映画は、草彅君らしい朴訥なキャラクターと、SF小説を映像にすることで出てくる朗らかさで、体温のあるものに。竹内結子の美しさもこの美談をさらに美しく(ただ、病状が悪化してもすこぶる健康そうに見えちゃったけどね、実際)している。ただ、映画という手法の中で実話として以上の世界を構築してたかというと、そこまでの感動はなかったな。実際、泣けるというよりは、やっぱりツラさのほうが先に立っちゃったわ。 ちなみにTVの「僕」シリーズは観てません。ま、それぞれ関連性のない別個の話なので問題ないと思うけど。
by april_cinema
| 2011-01-15 00:00
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