2011年 01月 22日
もう少しドラマがほしかったか、な。『ソウル・キッチン』1月22日公開。ハンブルクでレストランを経営するジノス。業績はイマイチ、恋人は仕事で上海へと立ってしまい、追い打ちをかけるように椎間板がアイタタタ(痛)。あげく不動産屋に店を売れと言われ、法務省が滞納していた税金をまきあげにき、衛生局にはキッチンの改装を命じられる。しかし、天才シェフとの出会いや仮出所して来た兄貴が盗んで来たDJセットなどのおかげで、店は奇跡的かつ急速に盛り返してきて、店が軌道に乗ったところで、ジノスは恋人を追いかけて上海に向かうことに! ソウル・キッチン 『そして、私たちは愛に帰る』が印象的だったファティ・アキン監督の最新作ということでけっこう注目。しっとりヒューマンかと思いきやテンポのいいエンタメ作品でしたな。ジノス中心にレストラン「ソウル・キッチン」を舞台にして、少しの笑いと多彩な音楽で軽やかにまとめている。命や愛といった重厚なテーマじゃなく、日常とハンブルクの街を第二の主役にした感じ。誰でも身近な生まれた場所、暮らす場所、そしてそこにある誰にでも起こりえそうな物語。 どんどん話が進みはするものの、なんとなくリズムが合わなかったなぁ。軽快さの裏側にあるドラマ性が微妙に弱かった気がする。なんつーか、例えばダンスシーンだったり、料理シーンの裏側に感情が乗っていないというか、ただ展開が早いだけで何も語っていない部分があったせいなのかな。なんか心を揺さぶるような驚きとかちょっとした仕掛けに気づけなかったぜ。ハンブルクについてもう少しなじみがあれば違ったかなー。ハンブルクに俄然行きたくなったことは確かなんだけどね。 キャラクターたちは色濃く、でに背景とか変化みたいなのが弱かったから引っ張られなかったのですよ。そのあたり、群像劇にしてほしいとは言わないけど、もう少し掘り下げても楽しかったかもね。天才シェフ・シェインにはもう少しウンチクのひとつも語ってほしかった気もするし、ルチアの顔が好みだったからもっと愛とか哀しみとかについてサービスしてほしかったよ。あと、ごはんももっとたっぷり見せてくれてもよかったような気がする。陽気でポジティブなんだけど、そこに乗り切れなかったのが残念ですわー。
by april_cinema
| 2011-01-22 00:00
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