2011年 01月 22日
感想_フード・インク
b0130850_8204432.jpg他人事じゃねぇ…! 『フード・インク』1月22日公開。今やアメリカの農業はほとんど工業と化している。食肉は劣悪な環境で飼育された、もはや動物とは呼べない工業品でしかない牛や鶏から取られている。飼料は遺伝子組み換えによるコーン。農家は少数の大企業に支配され、消費者は何も知らないまま低価格の危険な食品を食べ続けている。
映画『フード・インク』公式サイト

恐ろし過ぎます本当に。食品事情ってここまでヤバイのか、と。『いのちの食べ方』というドキュメンタリーが、オートマティックに作られる食品の様子をひたすら流していて、なんかえらいことになっているなぁとだけ思ったけれど、その危険性をより明確に警告してくれているのがこの作品。大量に、安く作るということは、いろんなものを捩じ曲げて犠牲にして作られているものであり、それが上質であるはずもなく、上質でないだけならともかく、命に関わるほどに危険なものだったなんて。農家、企業、国をめぐる関係と、実際の現場の様子は驚愕するしかありませぬ。

最初は、とはいえこれ海の向こうの話でしょ、と傍観モードであったものの、そうとも言ってられなくなって来る。低価格のハンバーガーは日本でももはやなくてはならないものだし、アメリカ製のコーンも大豆も大量に入って来ているわけで。『キング・コーン』て映画はアメリカ限定の話だと思って観ていたからピンと来なかったけど、この映画はそこから一歩話を進めた地球規模な話だから、決して対岸の火事なんかじゃなく、ものすごく身近な問題だってことを強く感じるわ。。

単なる告発と警鐘だけで終わらず、この作品はきちんと未来への提案を入れているところがすばらしい。全体で見れば酷い状態のアメリカでも、一部の農家は正しい農業をやっているということ。それは決してセレブのための高級品でもブランド品でもなくて、身の丈にあった一般的に誰にでも手に入れられるもの。大切なことは我々消費者が、なにを口にしているのかを知り、なにを口にするべきなのかを考えるということなのだよね。

決して難解ではなく、エンタメ性も持たせながらきちんとした社会性と現状把握のできる良質ドキュメンタリー。最近この手の映画は注目を集めるので、この作りならきっとヒットしそうな気がします。関連作の『ありあまるごちそう』も気になるぜ。
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by april_cinema | 2011-01-22 00:00 | All-Star


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