2011年 02月 05日
命をつなぐために。『ジーン・ワルツ』2月5日公開。大学病院の産婦人科に勤める曾根崎と清川はともに学んだ同志。お互いに仲間として尊重し合いながらも、曾根崎は出産に関して病院の都合よりも個人としての意志を優先させ、教授への出世を控える清川はヒヤヒヤしながら彼女を見ている。曾根崎は、自身がかつて学んだ個人医院のマリアクリニックで、事情も年齢もバラバラの4人の妊婦を診察しながら、ある計画を考えていた。 映画「ジーン・ワルツ」公式サイト 『バチスタ』シリーズの海堂さん原作の映画化最新作。テーマは出産です。出産にはもう特に危険はないだろう、なんて思い込んでいたけど、全然そんなことなくて、子供を産むというのは観念的な意味だけでなく物理的にも奇跡であるということを知らされたな。さらには最近ニュースになっていた妊婦の受け入れに関する病院側の問題、代理母出産などの課題、そういった出産にまつわるテーマを織り込んだ1本で、女性はもちろん無知な男から見ても考えるポイントは多いなー。そういうテーマをきちんと消化していると思います。 菅ちゃんが、孤独を抱えながら戦う医師のイメージにハマっていて、あのいつもの感じで強めの女を演じてます。彼女のストーリーはちょっと安直でマンガ的なので、リアリティが微妙に薄れて見えるきらいがあるのがもったいないけど、投げかけてるテーマは圧倒的に切実なので、その辺はどう評価するか難しいね。フィクションとして心を動かす強さにはやや欠けていると思う。それは、あまりに都合よくバラエティに富みすぎた妊婦たちのドラマにもう少ししっかりした肉付けがあるとよかったようにも思う。もしくはごく普通の出産者の目線というのもあったほうがよかったのかもしれない。なにかもうひとヒネリできたような気もする。 終盤の危機的状況はかなりマンガ的に映ってしまうけど、でもひとつひとつを取り出してみれば、あれこそが妊婦受け入れの現状をデフォルメした縮図ってことなんだろうね。リスクを恐れる受け入れ側がたらい回しにしてしまうのも、事情としては理解できてしまったりもする。もちろん、母たちの想いも凝縮されてましたわな。 曾根崎のキャラにあと少しの描き込みがあるとなお良かったような気もするけど、わりと誠意をもって作られている作品だと思いました。
by april_cinema
| 2011-02-05 00:00
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