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2011年 03月 26日
感想_紙風船
感想_紙風船_b0130850_2339183.jpg若さっていいわ。『紙風船』3月26日公開。東京藝術大学の映画専攻の5期生の方が企画、資金集め、製作、配給までこなしたプロジェクト作品。岸田國士の原作を4編のオムニバスにしています。なかなかおもろポロポロ。
映画「紙風船」公式サイト

『あの星はいつ現はれるか』
大後寿々花が主演〜!てだけでも嬉しいところ、江ノ島に住む女の子の、幼なじみとの淡い恋の話。もう何百万個も作られている話だろうに、なんだかよかったのー。自分のことを、「友達の話なんだけどね」って言っちゃうあのド定番ぷりもたまらんわ。やっぱ好き、大後寿々花。相手役の子もよかったし、両親役の光石さん&富田靖子ってのもよかった。そして江ノ島&鎌倉高校前というロケーションも鎌倉好きにはヒットです。キャスティングの勝利もありつつ、4つの中でいちばん好き。

『命を弄ぶ男ふたり』
やや不条理系のロードムービー。先生と男子生徒が、ひとりの女生徒に呼び出され翻弄されて、と。男の愚かさ身勝手さ幼さと、社会の不条理をつるっとまとめたような、ウディ・アレンとコーエン兄弟の間みたいな路線。佐津川ちゃんて、なんかこういう立ち位置になってるよね。

『秘密の代償』
ちょっと掴み切れず、乗り切れず、だったけども。こういう話もまた匂いがあっていいのかも。疑念や猜疑心がどういう風にふくらんでいくのか、そのおかしみを描いた感じなのかな。もうちょっと勢いとかあってもよかったかもしれない。

『紙風船』
ラストに相応しい、夫婦のリアルで軽妙な会話劇。自宅のみのシチュエーションで上手にやってたと思うし、仲村トオル&緒川たまきってキャストもそそるものあり。夫婦の日曜日という、慣れと愛情との間の微妙な感じが、まずまずよく出てたような気がするけど、実際の経験者夫婦が見てどう思うかはわかんないかな。ちょっと美し過ぎるような気もするし。でも紙風船というモチーフは、夫婦関係のメタファーとしてよく機能していると思う。空気を入れると膨らみ、時間がたつと勝手に萎れるし手荒く扱うと割れてしまう。けれど大切に扱ってまた息を吹き込めば膨らんで宙を舞うという。ってそれは原作の評価か。

学生さんの作品という先入観抜きにして十分楽しめる内容かと思います。こういう経験を積めるプロジェクトがあるということが素敵ですね。そういう意味で青春映画と認定させていただきます。ちょっぴりジェラシー。羨ましい。

by april_cinema | 2011-03-26 00:00 | Starter


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