人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2011年 04月 30日
感想_四つのいのち
感想_四つのいのち_b0130850_82729.jpgこいつは驚いた。『四つのいのち』4月30日公開。南イタリア。静かに響く暮らしの音。ある山深い地方に暮らす老人はヤギの世話をし、教会を訪れ、そして眠る。重なり合うようにつながる、子ヤギ、祭り、樅の木、炭作り。地球のうえを巡る、いのちといのちの不思議な連鎖の物語。
四つのいのち

ドキュメンタリーじゃないってことに驚いたわ! ドキュメンタリーかのように、ただただ情景を写し続けた映画。大きく4つのパートにわかれていて、老人の日常と死、子ヤギの誕生と迷子、祭りで切り出した樅の木の末路、そしてそれを使った炭作り。でまた人の暮らしへ、という輪廻のようなリンクのような、隣り合っている営みの輪っか。食物連鎖みたいな直接的なつながりじゃないけど、でもなんか重なり合ってるんだよね、地球の上は、というような感じか。袖すり合うも他生の縁的な世界観ですね。

台詞一切なしなわけ。本当にただカメラを回し続けるだけで、映像だけでその意図をすべて汲み取れるのかどうかはわからんなあ、正直。公式サイトとかで、なにかしらの予備知識をいれておかないと、うまく世界観を自分の中に構築できないような気がする。オレもいろいろ情報みて初めてそうなのかーって思ったしね。てかそうしないと寝落ち可能性あり。

でも、ドキュメンタリーじゃないと思って見れば、この映像が意図を持って撮られているということもわかるわけで、そう考えると監督が伝えたいことがなんだったのか、わかるような気もする。すなわちこの世に生きとし生けるもの同士、無関係なものはないってことなんだろう。そうだ、無縁社会、NO!ってわけだな。

by april_cinema | 2011-04-30 00:00 | Starter


<< 感想_岳      感想_スコット・ピルグリム V... >>