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2011年 05月 28日
感想_クロエ
感想_クロエ_b0130850_1962455.jpgエロス! 『クロエ』5月28日公開。何不自由なく暮らしていた婦人科医キャサリンと大学教授デビッド一家だったが、デビッドは誕生日の日の帰宅が遅かった。翌朝キャサリンは、うっかりデビッドあてのメールを見てしまうと、生徒との親密な写真が。疑心暗鬼に陥ったキャサリンは、偶然に出会った娼婦のクロエを買収し、夫の誘惑を指示し、夫の浮気を調査。後日クロエは、デビッドとの情事を語り始め、キャサリンの幸福だった日々は崩れ落ちてゆく。
映画|CHLOE/クロエ|公式サイト

アトム・エゴヤンの官能的サスペンス! アマンダ嬢のセクシーっぷりが炸裂しまくってるけどバストトップだけは超寸止めクローズド(ジュリアン・ムーアはオープン)でがっかりw 話は割と単純で、登場人物は夫婦と息子とクロエがほとんど。その限られた世界の中で醸成される濃密な空気に、観る人を閉じ込めてくれちゃうのはベテラン監督の技。

中核を担う秘密は、疑心暗鬼。キャサリンの疑念で始まったこの物語は、その疑念の高まりとともにエスカレート。なにも信じられなくなったキャサリンと、それに乗じてどんどんキャサリンの心に侵入していくクロエ、さらに息子のマイケルまで巻き込みながら、スリラーのような様相を呈していくのです。これを成立させているのが、小悪魔アマンダ! 『マッチポイント』のスカーレットを思い出させる悪女っぷりで、男子はみなメロメロでしょうこれは。ジュリアン・ムーアだって参ってしまうほどにね!

監督のご当地トロントで撮影されたそうで、鏡やガラスへの映りこみにいろんな意図が感じられる。鏡の向こうに写っているもの、つまりは目に見えるものが真実ばかりとは限らないということ。疑念は無限に膨らみ、時としてそれは誰かを傷つけ、何かを損なっていくということ。ガラスや鏡のように、一枚なにかが間に挟まることもまた、物事を捻じ曲げてしまう可能性があるということ。情念まで感じさせるカメラワークがそういう心理を煽るだけ煽るので緊張感ありますわ。

ラスト、そういうオチですかい!とやれやれ感も残るけど、こうしないと決着つかなかったかもね。クロエがいったい何を望んでいたのか。普通の暮らしか、母性か、はたまた別のなにかか。あえてそこは隠しながら、しっかり堪能させてもらいましたよ。アマンダ、いいなぁ。

by april_cinema | 2011-05-28 00:00 | Starter


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