2011年 06月 11日
舞台向きか、やっぱり。『テンペスト』6月11日公開。ナポリ王アロンゾーは航海の途中で大嵐に見舞われる。その嵐を起こしたのは、ある孤島に住む女性プロスペラの奇術によるものだった。彼女はかつてのミラノ大公の妃でありアロンゾーの姉だったが、アロンゾーは謀略によりプロスペラを追放して権力を握っていたのだった。プロスペラの復讐が始まる。 6/11(土)全国順次ロードショー 映画『テンペスト』 シェイクスピア最後の作品を、ジュリー・テイモアが映画化した作品。ファンタジーでスペクタクル〜。原作ではプロスペラは男らしいけど、それを女性に置き換えてヘレン・ミレンを迎えての脚色。まあヘレン・ミレンは『クイーン』しかり、気品高い女の似合うこと似合うこと。シェイクスピア世界においてもそれは変わらず、妖精やら怪物やらを操り、復讐を果たしていくさまはハマりすぎ。てかやってること完全に魔女なんですけどね、魔女っぽくも見えるからオーケー。 魔法や妖精が飛び交うファンタジー世界なので、なんでもありはありなんだけど、映像世界としてはかなり弱かったんだよな。ハリウッドのそれほどにスペクタクルではないし、なんかだいぶチープに見えてしまったのです。こういう現実離れした設定モノはやっぱり舞台のほうが活きるのかなーなんて思ったりもして。お話の軸は特に言及することもないし、いかにも貴族的なものがベースにあるのですよ。王位継承とか、そういう権力争いね。一般人にはなじみの薄いところで。でも最終的にそれを赦しというメッセージに乗せたのは正解だと思う。そうでないと今やる意味もないしね。 プロスペラの娘と恋に落ちる王子が妙にナードだったり、ジャイモン・フンスー扮する怪物がなんだかおもしろすぎたり、ベン・ウィショーはメイクのせいで誰だかわかんなかったりと、キャストとかもいろいろ楽しい。アカデミーにノミネートされた衣装なんかも楽しめるかもね。そういう周辺を楽しもうというある種の割り切りを持って臨みたい1本でした。
by april_cinema
| 2011-06-11 00:00
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