2011年 06月 18日
ファインダーを通すと見えるもの。『東京公園』6月18日公開。カメラマン志望の大学生・光司は、公園で家族写真を撮っていたところ、見知らぬ男に声をかけられる。彼は、毎日公園を出歩く母娘の写真を撮って送って欲しいという。押し切られるように引き受けてしまった光司は、ファインダー越しに名前も知らない、だけどどこかに面影のよぎる母娘を追いかける。それはいつか、幼なじみの冨永、血のつながらない姉・美咲、それぞれに抱えるものとも向き合わせることになって…。 映画|東京公園|公式サイト 青山真治監督でイメージするところとは随分違った、爽やかで優しい物語でしたわ〜。少し風変わりな設定とちょっぴりのファンタジー、そこに公園という身近なリアルが折り重なってて気持ちよかったわ。去年の秋に撮ってたらしくて、都内の公園が次々に出て来るんだけど、色づく樹々とか、通り過ぎていく人とか、なんてことない日常の風景に癒されるわー。やっぱいいよね、公園てさー。気持ちよす。 わりと突飛な話ではあるんだけど、近くに居る人と真っ直ぐ向き合うとか、気持ちに寄り添うとか、そういうシーンにはなんとなくシンクロできる。彼を亡くした冨永の気持ち。秘め続ける美咲の気持ち。自分をまだ持て余している光司の気持ち。すべては通過していくもので、明日にはどうなっているかわからないものだけど、その瞬間瞬間に光を当てていくことが、つながりであり、そしていつか積もる落ち葉のように絆になっていくんだよね。写真という瞬間を切り取る作業がまた、心のピントを合わせていくという比喩とも焦点が合っている風です。ファインダーを介して向き合うというのはちょっといただけない部分もあると思うけどね。 キャストたちがみな魅力的でしたわ。春馬君の純朴な好青年ぷり。榮倉ちゃんの伸びやかさと、その裏にある小さな陰。こにたんの大人小悪魔な脆さとしなやかさ。加えて、染谷君の愛らしいゾンビっぷりも一票と言わず十票くらい投じたいわ! でも光司は母娘があの人に似てるってこと、もっと早く気づくべきだろーがー!ということだけは突っ込んでおく。 夏を前にして秋の物語ってことを除けば、悪くない好編。それこそ公園を訪れて人間観察する気分で観て欲しい1本です。
by april_cinema
| 2011-06-18 00:00
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