2011年 07月 16日
へんてこ作やな。『コクリコ坂から』7月16日公開。1963年横浜。坂の上の港の見える丘にたつ1軒の下宿屋、コクリコ荘。切り盛りするのは16歳の少女・海。彼女は毎朝、信号旗をあげていた。海から帰ることのなかった父の帰りを待つかのように。そしてその旗に応じる旗をあげる船があったことを、海はまだ知らない。 コクリコ坂から 公式サイト ウワサのジブリ最新作は、オールドスクールな青春歌謡活劇でしたわ。これは先入観の問題だけど、ジブリつーとついファンタジー世界を求めてしまうけど、これは全然違うノリで、はたしてどのターゲットにいちばん響くんだろうなー。60年代当時を知る人か、海と同世代の青春ティーンエイジャーか、はたまたぽにょキッズたちなのか。 てのも、主人公は16歳で、彼女の初恋相手とすったもんだなわけだけど、ちょっと青春恋愛ものとして受け止めるには弱かったなー。もっとキュンキュン系甘酸っぱさ欲しかったけど、かなり控えめだったし、ふたりを取り巻く家庭環境のねじれみたいなやつがなんとも中途半端で…。そして舞台は60年代、学校の古い建物を取り壊そうとする学校側と守ろうとする学生側という、学生運動的構図は団塊世代に響くってことでしょうか。温故知新の姿勢は今へのメッセージなんだろうけど、ここだけ中途半端にファンタジーしていて、ジブリらしい背景画はいいけど、物語としてはぐっと来なかったなー。で、困った時は歌って解決という姿も、昔ながらの歌謡ノリ〜。 いんだけどね、そういうテイストも。でもそれらがバラバラと存在していて、焦点がどこにあるのかいまいちわからなかったのです。テーマ性がいくつか交差する中でいちばん強調したかったのはどこなんだろう。ただの懐古主義じゃちょっと納得いかんですよ。もう少し未来に対する何かしらのテーゼを、ジブリには求めます。
by april_cinema
| 2011-07-16 00:00
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