2011年 08月 20日
感想_リメンバー・ミー
b0130850_831241.gif反則的だけど語れる。『リメンバー・ミー』8月20日公開。22歳で自殺した兄のことを思うタイラー。あれから6年、自分も兄と同じ年になった。絵が大好きだがクラスで浮いている妹を愛し、仕事優先の生き方を選ぶ父とは反りが合わない。ある日、NYの町中で喧嘩に巻き込まれ、刑事に逮捕されてしまう。偶然にもその刑事の娘アリーが同じ大学だったことを知ったタイラーは、友人にけしかけられて声をかける。アリーには母親を殺された過去があり、心に傷を持つもの同志、ふたりは急速に惹かれ合うが…。
映画『リメンバー・ミー』公式サイト

最後の大オチを除いたら、わりと普遍的な青春映画だったのよ。兄の死をトラウマとして持ち、モラトリアムから抜け出せず、そして家族ともうまくいっていない大人と子供の真ん中青年。そんな自分持て余し系とどう折り合いをつけていくのか。アリーもまた母を殺された過去があり、お互いにその孤独を重ね合わせながら惹かれ合って行くという。なにが起こるストーリーでもないから、退屈といえば退屈だけど、画作りがわりとシャレオツだったし、矛盾もなくて悪くない感じ。

だったのですが、これぞ本当に大どんでん返し。一気にこの映画の意味が変容してしまいました。タイトルの意味ですらまったく変わってしまったわ。これはネタバレすべきなのか、すべきではないのかわからないっす。オチを知って見る意味もあるというか、終わった瞬間もう一度全部洗い直したいような気分にもなったよ。伏線というか布石がすべてにありまくりで。

デザートを最初に食べたいというアリーは、母の死をちらつかせながらもそこに普遍的意味を持たせてたのか。ギターを持った男をかばって喧嘩しに走ったテイラーは、兄の幻を追いかけながらも真の正義とはなにかを問いかけてたのか。あらゆる人種とメイクラブを楽しむ友人のエイダンは、NYのある意味での象徴であり希望にもなっていたのか。いじめられるキャロラインは赦し合うこととはなにかを考えさせてたのか。タイトルにはこれを風化させないという意味があったのか。オープニングがなんで91年なんだろう、という疑問を抱えてたのに気づかなかったと気づいたのは終わってから。

そうなると、脚本はとてもよくできてたんじゃなかろうか。ほかにも細かいエピソードにそれぞれきちんと意図があったように思うし、それがほぼ回収されているのも立派。タイラーもアリーも壁を乗り越えて、そしてまた何かが起きたときにもそれでも逆境を越えて人は生きてかないといけないよね。禁じ手のような大技もってきたって気もしなくはないけど、いい加減な作品じゃないしよかったと思うわ。語るに足るというべきか。最終的にややわかりやすすぎる気もするけどこのくらいがちょうどいいんだろうね。ロバート・パティンソン君は吸血鬼じゃないので顔色もよかったし、その他キャストも実力派でしまってたな。特に父親ふたり。

NYに愛を込めて。って行ったことないんだけれども。
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by april_cinema | 2011-08-20 00:00 | All-Star


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