2011年 09月 17日
リアルなようなリアルじゃないような。『世界侵略:ロサンゼルス決戦』9月17日公開。ナンツ軍曹は長い軍隊生活に終わりを告げようとしていた。そこには自分の指揮下で兵を戦死させたことへの後悔が隠されていた。しかし、ロサンゼルスが突如、謎の生命体に襲われ、全米は一瞬にして壊滅状態に。だが市街地に残された民間人を救うためナンツ軍曹は舞台を率いる。そこにはナンツが死なせた兵士の弟や、結婚式目前の男らがいた。彼らは果たして滅亡寸前のこの街で人々を救い未知の敵に勝利することができるのか。 世界侵略:ロサンゼルス決戦 - オフィシャルサイト 『プライベートライアン』的な激しい戦闘を、宇宙人相手の救出&撤退&逆襲という三部構成でとことんやり尽したアクション大作。アーロン・エッカートってわりとインテリ変化球がお似合いだと思ってたけど、憂いのある軍人てのもなかなか悪くないじゃん。いい具合の枯れ感と、その中にあるカリスマ性が光ってたわ。彼を中心に、集まる舞台の群像劇的な性格ももたせてます。 が、静かなドラマはあくまで箸休め。添え物。大半は戦闘戦闘戦闘シーンで埋め尽くされて、それも圧倒的劣勢の中でしんどい戦いを繰り広げます。はっきり言ってあれだけ一瞬で街が壊滅させられて、どうしようもないほどの戦力差があることを考えると、あんな風に一部隊がサバイブするのってリアリティないと思いつつも、それを差し引けば濃厚なバトルが繰り広げられてました。さすが原題は「BATTLE LA」だぜ。 で結局のところいくら戦闘にリアリティがあったとしても、そもそもの根本的設定がSFなもんだから、ちっとも感情移入できないんだよね。敵が仮想敵に過ぎなくて、もうこれはあくまでフィクションであって現実とはなんの関係もありませんモードになってしまった。いやさ、もちろんいきなり宇宙人に攻め込まれることだってないわけじゃないと思うんだけどね。だったら『第九地区』的な説得力はほしかったよなー。モンスターの出現と人間ドラマがまったく別の軸で動いているのが根本的原因だと思います。 リアリティがあるんだかないんだか。好みがぱっきりわかれそうな1本。
by april_cinema
| 2011-09-17 00:00
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