2011年 09月 23日
それでも変えられないというのか!? 『僕たちは世界を変えることができない』9月23日公開。なにか物足りなさを感じる日々を過ごしていた医大生の甲太は、偶然見かけたチラシに目を留める。150万円でカンボジアに学校を建てよう、というメッセージに感化され、仲間たちとサークルを作り、イベント収益や寄付を募り150万円を貯めようとし始める。半ばノリではじめた活動だったが、カンボジアを訪ね、内戦の傷跡や現状を目の当たりにして、意識が変わり始める甲太たち。しかし、それとは裏腹にサークルはバラバラになりかけていた。 映画 | 僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. | 公式サイト 実際のできごとをベースに、半ドキュメンタリー的に作られたフィクション。は~、震災を受けたこのタイミングで、そして一度とはいえボランティア体験をした後に観ると刺さる内容だなぁ。カンボジアも去年行ったばかりで親近感あるし、すべてがリンクしちゃったよ。フラットに観られなくて、映画としてどうなのかはわからないや。でもここで描かれてるのは確実に世界に必要なことで、多くの人が見て何かを感じてほしいと素直に思います。 序盤はもんのすごくナナメに見てしまったの。向井君は特別上手な役者さんではないと思うし、大学生ノリがある種のステレオタイプで、まあ実際に存在する世界ではあるんだろうけど、薄っぺらでヌルい、いやーな感じでした。でも、映画同様、カンボジアに行くところから転調するわけです。プノンペンには行ったことがないから、あの資料館もキリングフィールドも初めて観た。傷跡の生々しさが本当にすごいし、役者たちの素のリアクションもビビッド。これはもう映画関係なく歴史的悲劇なので、誰もが胸を痛めるはず。 なにげにここらへんまでの前半に時間を費やしていて、後半は一気の展開。向井君のパンツ一丁スピーチは確実に胸を捉えたし(向井君の、演技を超えたパッションというか想いを感じた!)、とどめは矢野っちの『青空』だよなー。彼の"なぜあの時歌えなかった"という気持ちが無茶苦茶濃く出ていて。やり直す機会が絶対にあると思っていたのになかったときの、あの悔しさ。無力感。ボクはとにかく、悔いを残した人の想いに触れるとものすごく共振しちゃうんだよな。やりたいのにできないあのフルフル感がさ…。そして演じた窪田正孝君、最高だったぜ。主要4人の中でベスト。いい顔してたし。これから期待だな~。どんどん出演させるべきだな〜。勝地君みたいに、"実力者だけど脇役人生"みたいにならないといいな〜。 世界は変わらないんじゃない。大きな世界をすぐには変えられなくても、小さな世界は数え切れないほどに変わったはず。求められてるのはそういうことなんだよな。ボランティアという行為の意味を考える今日この頃、しっかりと胸に届く1本だったと思います。
by april_cinema
| 2011-09-23 00:00
| All-Star
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