2011年 10月 08日
優しい映画ですた。『ツレがうつになりまして。』10月8日公開。ソフトウェア会社に勤める幹男は体調が優れず、妻でマンガ家の春子は心配している。病院に行った幹男は、鬱病の診断を受け、春子のすすめもありやがて会社を辞めることに。さまざまな症状にさいなまれ、春子との生活も大きく変わるが、ふたりは懸命に病気と向き合い、笑顔を忘れずに乗り越えて行く。 映画「ツレがうつになりまして。」公式サイト 佐々部監督ってのは本当に優しい人なんだろうな〜って思ったわ。エッセイの映画化で原作未読だけど、鬱病を発症し、戸惑い苦しみながら少しずつそれを受け入れて、ふたりのペースで遠回りもしながら進んで行くさまを順を追って丹念に描いてる。慌てない急がない映画のペースは、おそらく原作の雰囲気がそうなんだろうね。シリアスなテーマではあるけれど過剰にシリアスにしすぎず、丸くてゆっくりであったかい感じが全面に出て来る。 堺雅人に宮崎あおいっつー篤姫コンビが夫婦役なわけだけど、ふたりともけっこうキャラ作って演じてる感じが強かった印象で、あおいちゃんはもともとしっかり演じちゃうタイプだと思うからいつも通りだろうけど、堺雅人のほうは演出しすぎなんじゃないかなって思った。コミカルとさえ言えるほどで、それはリアリティを損なっているようにも思えたもの。もちろん、苦しんでいることはわかるんだけど、鬱を抱えている人から見てこの姿ってのはどうなんだろうな、って思った。オレが知らないだけで実際こういうものなのかもしれないけど。あおいちゃんについて言えば、あんだけかわいくてオシャレもして、引っ込み思案なネガティブ思考ってのは腑に落ちませんわな。というところでこっちも説得力に欠ける印象。あと後半でいきなりキレたのも、それまでそんな素振りなかったのに今更?な感じも。などなどなんとなくノリ切れない要素は多かったのだ。 でも、その淡々とふわふわした感じを丁寧に大切にしてきたのが奏功して、終盤少しずつ病状とふたりの関係が上向いて行く様子を優しく見守れたし、応援したくもなったし、ツレがみんなの前で喋ったふたつのスピーチは間違いなくこちらに届いたよね。アニメーションがちょっとまたリアリティから遠ざかったところもあったけど、それもご愛嬌ですかの。 とにかく実話がベースだし話にとやかく言うことはあるまい。見終わって温かい気持ちになれることは確かな作品。重い題材を重すぎずアレンジした、ほっとできる夫婦の話です。
by april_cinema
| 2011-10-08 00:00
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