2011年 10月 08日
朴訥とした魅力あるな。『明りを灯す人』10月8日公開。明り屋さんと呼ばれる男が老人の家の電気メーターを細工していた。それは無料で電気を使えるようにする細工で、明り屋さんはつかまってしまう。がすぐに釈放される。ここはキルギスの田舎の村。都会では政治的混乱がおき、この村にも投資家たちが土地を狙ってやってきていた。 明りを灯す人 なんでしょうね、小さくて温かくて少し勇気が出るような。キルギスと言われてなんのイメージも持たない僕だけど中央アジアの貧しいその国の風景は、空が青くてなんだか豊かに思えてきます。いわゆるロハスな田舎暮らしのイメージを重ねるのは間違っているんだろうけど、電気ひとつにも苦労するような不便さの中でも子供は生まれ育っているということ。だけど若者たちは都会や隣国へと出て行ってしまうという現実。この理想と現実のギャップというか乖離がなんとも言えないな。 その中で明り屋さんは、最後の良心とでもいうように戦っている。少年のように笑い、怒り、照れたりしながらまっすぐに生きる姿が微笑ましくもあり、うらやましくもある。みんなわかってるんだよ、あんな風に生きられないことをさ。だから憧れに近い目線と、自分とは違うと遠ざける視点とないまぜになりながら、彼を賞賛することで自分のバランスを保つしかないんだろうな。 淡々とした静かな物語なのに80分飽きさせないってすごいことだよね。小さいのに味わい深い。映画らしい映画でした。
by april_cinema
| 2011-10-08 00:00
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