2011年 11月 05日
真っ直ぐ過ぎるわ。『ハラがコレなんで』11月5日公開。妊娠9ヶ月の光子は、父親のジャックと別れ、無一文になりアパートを引き払う。タクシー無賃乗車で向かったのは幼少の頃の一時期暮らした昔ながらの長屋。毒舌だった大家さんは寝たきりになり、残っているのは幼なじみの陽一の家族だけ。でも光子は、"粋"と昼寝を大事にしながら、周囲の人たちを元気づけていく。「OK! どーんと行こうよ」! 映画『ハラがコレなんで』公式サイト ノってる石井監督が、仲里依紗たんを迎えて撮った元気妊婦ムービー! 粋であることをなにより大事にする妊婦が活躍する人情活劇。要するにトラさん(観たことない)の現代版てことでいんすかね? いやもうこのトんでる無茶苦茶なキャラに仲里依紗がぴったんこ。『日本人の知らない日本語』のギャルティーチャーも相当よかったけど、それに匹敵するハマりっぷり。こういう作り込み系の役は浮きまくる人も多いとは思うんだけど、上野樹里をしのぐコメディエンヌの座を確立したのは間違いないっすね。しかもそれがカワイイのですから。マジでキュートでクール。 『川こん』『あぜダン』に比べると、今作はストーリーの捻りは少ないかも。不景気だなんだで困ってる人たちがたくさんいて、なんの解決もないけど、とにかく「昼寝していい風が吹くのを待つ」の光子スピリットで乗り切ってしまうエピソードがいくつか重なるのみ。元気よくて楽しいし、なんつーか混迷とか閉塞の時代において必要なメッセージではあると思うけど、ちとあけすけすぎると言うか、直球すぎる気がオレはしたわ。石井作品はわりとそういうこと感じること多くて、直接表現を避ける日本人的曖昧文化をすっ飛ばして、いいじゃんストレートに思ってること吐きだしちゃおうぜっ!な精神が強いんだよね。そこが少しノリきれない理由。いや、直球が悪いわけでもないし、そのための組み立てがあることもわかるけど、なんか裏の裏は表を突こうとしてるように思えて。ここでこういうこと言うと思わなかったっしょ?的なのが見え隠れするのがちょっとな。だいぶうがった見方かもしんないけど。 この映画は3.11の前に撮り終わってたようだけど、監督自身が震災を目にしてこの映画に込めた想いをさらに強くされたそう。確かにここに描かれるような他人とのつながり方や、粋を守る美意識、清貧さてのは必要なものだと思うので、そのあたりを素直に受け止められたらほんと元気になると思います。ちょっと現実離れしすぎてるけど、フィクションだからこんくらい振り切ってOK! どーんと行こうぜっ!
by april_cinema
| 2011-11-05 00:00
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