2011年 11月 19日
感想_恋の罪
b0130850_2359152.gifほとんどホラー! 『恋の罪』11月19日公開。21世紀を目前に渋谷円山町の廃屋で起きた殺人事件。浮気相手との情事の最中呼び出された刑事の和子は、切断された死体を前にする。被害者の身元を探り、行方不明者をリストアップ。そのうちのひとり、小説家の妻・いずみは、夫のルールの下で抑圧される日々を送っていた。働きに出たスーパーの試食売り場、声をかけてきた女についていくとそこはアダルトビデオの撮影現場だった。タガが外れたいずみは、やがて自分から男を求めるようになり、渋谷でひとりの娼婦と出会う。昼間は大学の助教授であるその女・美津子は、いずみをさらに未知の世界へと誘い…。
園子温監督作品『恋の罪』公式サイト

話題作を連発する(といいつつ『愛のむきだし』も『冷たい熱帯魚』も見ていない)園子音最新作! 1997年に起きた東電OL殺人事件をもとに、みずから大胆不敵に脚本を書き下ろしての衝撃作。いや~、濃い、濃すぎる…! なにもかもがむせ返るような濃密さで、144分、異次元の世界へ拉致られてた気分だぜ。観たくないけど目が離せない的な強過ぎる磁力!!

描かれるのは3人の女の業。家庭に収まりながら満たされない女。社会的地位を持ちながらコンプレックスを抱える女。男勝りの仕事と温かい家庭のはざまから逃れようとする女。刑事を演じる水野美紀がメインキャストかと思いきや、彼女は案内係にすぎず、実質の主演はいずみを演じた神楽坂恵。体当たり…というより、フルヌードでSEXシーンも含めて強烈なキャラクターを演じてますわ。下賎な話、彼女グラビアアイドル時代には脱ぐことはなかったろうけど、女優として脱ぐことになるってのも、なんか因果だなぁ。と思いきやまさかの園監督とご結婚、おめでとうございます。って話それすぎか。

しかしほんと共感しづらいというか、とことん振り切った価値観の中でうごめく欲望と、惰性。暗く、もったりとした質量のある画もあれば、かと思えば光がさんさんと降り注ぐいずみの家があったり、どっちに振っても極端すぎるほど極端な描写。さらにかぶさってくる音楽もホラーかってくらい主張ありありで、あっちへ引っ張られて、こっちにも振り回されて、観終わった後にはジェットコースター20連発で乗った後みたいなぐったりと疲労感さえ残るほどに過剰! でも隙はないんだよなー。長いんだけど、終わってみればあっという間だったような掴まれ方。

極端とはいえ、女性のどこかにはこういう満たされない思いとか、開放したい渇きとかがあるんだろう。女性というか、男も似たようなもんかもしれないと思うけど、でもやっぱりこれは女にしかありえない世界だろうなー。なんかまるで説明不能なこの映画。鑑賞にある種の勇気を要する映画ですわ。ウブな人には薦めらんねーぜ。
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by april_cinema | 2011-11-19 00:00 | All-Star


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