2011年 12月 23日
運命の皮肉ですか。『運命の子 Sacrifice』12月23日公開。中国春秋時代、晋の国。屠岸賈は謀反を起こし、趙氏一族を皆殺しにする。しかしただ一人、生まれたばかりの赤子を逃してしまったため、国中の赤子を皆殺しにするお触れを出した。趙氏の子をかくまっていた程嬰だったが、同じく生まれたばかりの実の子が趙氏の子と間違えられて殺され、趙氏の子を育てることになる。程嬰は、この子を復讐のために育てることを決意する。 映画「運命の子 Sacrifice」公式サイト 中国・晋の時代の歴史小説もので、実話ではないみたいだけど中国じゃ有名な故事みたい。権力争いに翻弄され、運命によって生かされた子と、殺された子。その掛け違えたボタンが果たしてどう決着するのか…という復讐ベースの物語。そもそもがわりと長い話なのか、時間的に15年の幅があるからか、わりと淡々と進んでいった印象だな。 淡々としている割には微妙にわかりづらいんだよね。序盤の登場人物の相関もすぐにストンと入ってこなかったし、赤子取り違えのくだりは重要なキーポイントでありながら、これも一度できちんと理解できなかったのですが、それは僕が空気読めてないだけでしょうか。なんとなく前後の文脈でこういうことなのかな、と想像で補ってたらもう半分終わってた。いやでもかなりわかりづらかったよ、この流れは。あらすじを読み直しても、えーとうん事実関係はわかったけどさ、、、って感じだし。 で、復讐もまた回りくどいこと。子供は思った通りには育たないし、復讐にも時間がかかるし、でもその15年間は映画の中では端折られちゃってなんだか老けメイクだけが気になる忙しさ。15歳の少年にその状況を理解させるのはさすがに難しいと思うんだけど、割と素直に言うこと聞いたのはちょっと意外な気も。しかしクライマックスの差し違えはずいぶんヘンテコなアクションだったな。 教訓は、親の愛がいかに尊いかってことか。母は死してなお子供を生かし、またある母は子供かわいさゆえに我が子を失い、我が子を失った父は他人の子を愛すると同時に復讐の道具とし、殺したはずの子をはからずも愛した育ての父が真実を知ったときに去来したものは果たしてなんだったか。なにげに最後のがいちばん映画のテーマ足り得そうなもんだけども。 全般、やや大味にも感じました。なんだか誰も幸せになれない話だったな。
by april_cinema
| 2011-12-23 00:00
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