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2012年 01月 14日
感想_ロボジー
感想_ロボジー_b0130850_038218.gifけっこうベタだけどね。『ロボジー』1月14日公開。家電メーカーの木村電機社員の3人は社長の無理な要求で、作ったこともないロボット「ニュー潮風」を開発中。しかしロボット博覧会直前にトラブルで壊れてしまう。1回限りの窮余の策としてロボットの中に人間を入れてお茶を濁すことを思いつき、バイトのオーディションを実施。条件にあったのは、孫にも相手にされない寂しい老人・鈴木だった。とにかく博覧会だけをやり過ごすはずだったが、鈴木の勝手な暴走によって「ニュー潮風」は大人気ロボットとなってしまう。
映画『ロボジー』公式サイト

矢口監督最新作はロボット×じじい! 超漫画っぽい設定で、まるきりファンタジーではあるけど、その中でちゃんとワールド作り上げちゃうのはさすが。いつも通りのきっちりリサーチでロボット開発の企業や大学の研究室をたずねてエピソードを拾いながらオリジナル脚本を仕上げたそう。実際に大学生たちが登場するし、まんまとそのあたりが反映されてます。で、人が入っているからこその予測不能な動きとか、人が入っているなんて思わない人たちの勘違いとか、秘密を知られちゃいけない社員たちの奮闘とかで、いろんな笑いをちりばめながらお話全体を動かしていく技術は熟練ですな。安心して見てられます。

鈴木を演じたのは五十嵐信次郎。って誰それ?と思ったらミッキー・カーチスだったよ。心機一転憧れの日本芸名に変えたそうです。まあこの言うこと聞かないじいちゃんが、ほんとリアルで笑わせてくれるのよね。そしてヒロインのロボヲタガールに吉高由里子なんだけど、もうキャリアベスト級のかわいさ。ニュー潮風に本気で恋して、猛進しまくって、そしてあのぶち切れシーンが超絶品!(なんかホクロ増えてた?) 吉高のいいとこ全部出し切ってたな〜。で、木村電機の3人組もまたグッド。濱田ガックンは、小市民の雰囲気がやっぱり最高だし、それと組んだWエンジンの川合と舞台俳優長井さんがいい案配の凸凹コントラスト。お見事です。過去の矢口作品に出てる竹中直人に田辺誠一もカメオってますよ。

とはいえ、おもしろかったんだけど、テーマ的にはちょっとシニカルだったような気がするんだよな。老人の孤独はロボットという虚像になることでしか解消できず、孫とのコミュニケーションも着ぐるみごしというのはあまりに寂しい。けど、それが現実なの? 迫っている超高齢化社会を予感させて切なくなるわ。だから結局、この映画に夢があるのかないのかわからなくなってしまったんだよね。『ハッピーフライト』も今作も楽しいけれど、やっぱり矢口監督には若者たちを生き生きと描いてもらうほうが好き。次回作は青春劇をぜひよろしくお願いします!

by april_cinema | 2012-01-14 00:00 | Starter


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