2012年 02月 04日
あったかい人生讃歌。『人生はビギナーズ』2月4日公開。オリヴァーの母が亡くなった後、父はみずからがゲイであることをカミングアウトし、残りの人生をまっとうして死んだ。オリヴァーは両親の生き方に戸惑いを覚え、父を亡くした喪失感からも抜け出せない。そんなときに出会った女性アナと恋に落ちるが、また過去の恋人と同じように自分から距離を置いてしまう。 映画『人生はビギナーズ』公式サイト|2012年2月4日(土)より、新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開 静かで、淡々と、だけれど小さな勇気をたくさんくれるような温かい映画だったな。監督はマイク・ミルズ。『サムサッカー』がけっこうポップだったし、ミュージックビデオ系出身だからもっとテンション高めでくるのかと思ったらどうしてどうしてとても真摯で、誠実で、多くの人が背中を押されるような物語だったわ。父がゲイだった、ってのはけっこうトリッキーな設定にも思えるけれど、これ監督自身の体験がベースになっているそう。だからこその説得力だったのか! 演じたクリストファー・プラマーも見事だったぜ。オスカーおめでとう! 人生はいくつになっても、大人になっても、それでもまだまだ初めてのこととか経験のないことがたくさん押し寄せてくるんだよな。そのたびに戸惑ったり、後戻りしたりもするけれど、それが普通だし、そんな自分を責める必要もなければ無理に逃げたりしなくてもいい。あくまで自分に正直に、その時々の感情を受け入れていけばきっと前に進めるんだろうな。オリヴァーは、両親との距離感にも戸惑って、その影響で恋人にもすべてをさらけ出せなかったんだと思うけど、でもそこから踏み出す勇気を与えたのは父のカミングアウトなんだもんな。うんうん。 ユアンは、『パーフェクトセンス』同様にシャレた感じだけどちょっと欠陥がありつつ、素敵な女性と出会う役回りで、もういい歳なのにホントになんか素敵だわよね。お相手のメラニー・ロランも超クールビューティでしたしね。変わった女性って印象はなかったけれどもさ。 やりすぎないグラフィカルな映像に、犬が気の利いた台詞を吐いちゃったりする愛らしさもあり、監督のオリジナリティを滲ませつつも技術偏重では決してなくて、すごくいいアクセントになってたよ。静かな映画なのにとても温かい、冬の寒さをちょっと和らげてくれるグッドムービーでした。
by april_cinema
| 2012-02-04 00:00
| All-Star
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