人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2012年 02月 04日
感想_東京プレイボーイクラブ
感想_東京プレイボーイクラブ_b0130850_092377.gifこれもまた反応しにくいな…。『東京プレイボーイクラブ』2月4日公開。喧嘩沙汰で職場をクビになりかつての友人、成吉の経営するサロンへとやってきた勝利。勝利はここでもいさかいを起こし、さらにボーイの貴弘が店の売上を持ち逃げしようとしたことで、思わぬ事件に巻き込まれる。成吉、勝利、そして貴弘の恋人・エリ子に待ち受ける運命は。
東京プレイボーイクラブ

チンピラたちのうごめく場末の日々を、若手監督が現代的に描いております。ヤクザでも任侠でもない、半端者の正義もくそもない日常。なんとか抜け出したい、なにかを変えたい、でも変えられない、そんな3人が哀しくも愛おしく描かれている。基本的には巻き込まれ型のバイオレンス。勝利がヤクザに喧嘩売っちゃったことをきっかけに、悪い方へ悪い方へと事態は転がっていく。慌てる成吉、ふてぶてしい勝利、そして黙したままのエリ子、このコントラストが妙にリアル。

彼らの世界は自分とはかけ離れてはいるけれど、3人+貴弘の変わりたい願望は多くの人が共感するところ。太宰を読んだくらいじゃ人間は変われないし、東京にやってきてすぐに新しいなにかになれるわけもない。金を持って逃げ出したってそう簡単には別の人生には移れない。そう、誰だって簡単には変われるわけないのだ。勝利は21歳のエリ子にまだ間に合うというが、それよりかなり年上であろう勝利こそがまるで変われていないのだから。きっと人は変われないことを知っているから変わりたいって思うのかもしれませんな。

さて、監督はなかなか小気味よい演出、カメラワークで、たんなるチンピラ映画にはしてこない。ペーソスあり、ユーモアあり、バイオレンスもリアルだけどどこかファンタジックな要素も感じるので、次の作品が楽しみかもしれません。

by april_cinema | 2012-02-04 00:00 | Starter


<< 感想_ドラゴン・タトゥーの女      感想_ペントハウス >>