人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2012年 02月 25日
感想_Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
感想_Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち_b0130850_0164733.gifこりゃぶっとんだわ! 『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』2月25日公開。そのあまりに独創的なダンス振り付け・演出で世界的に知られたピナ・バウシュ。彼女の映画企画進行中の2009年に急逝してしまうが、監督ヴィム・ベンダースはその踊りと生き様を3D映画で蘇らせた。ともすればトリッキーにも見えるその神がかった踊りの源とは、いったい。
Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち 公式サイト

笑ってはいけないダンス24時!?って最初は思ってしまうほどに超絶トリッキーなダンスだったんだな。ピナの名を知らなかったオレには、思わずナニコレ!って笑ってしまうような奇妙な動き、滑稽なムーブ。砂かけられたり、水かけられたり、あんたたち何やってんの!?ってね。でも…、あれあれ、よくよく見るとそれはすごい鍛え上げられたダンサーたちだからこそ可能になっているということがわかってくる。てか、ものすげー。ものすごすぎるだろ、これ。気がついたら笑みは消えスクリーンを凝視している自分。

演出がまた素晴らしい。ただ舞台上の映像を編集するのではなく、ダンサーたちを屋外へと連れて行く。モノレールの中で。あるいは砂山で。あるいは芝生の上で。舞台からも解き放たれた踊りは、いっそうの躍動感をもって表現される。言葉ではなく、踊りで伝えるもの。コミュニケーションの根源とも言うべき動きがそこにはある。アート的とも受け取れる気がする。

インタビューも、カメラの前でダンサーが語ったりはしない。彼らはあくまでカメラの前に座るだけ。その自然な佇まいのうえにアフレコしたインタビューをかぶせる。ピナがどんな人間だったか。どんな話をしたのか。ピナという人間を説明するのではなく、キーワードから輪郭を想像させるような、言葉だけに頼ることのない手法が実にピタリとハマっていたように思う。

映画1本分の知識しかないとはいえ、これほどのクリエイティビティを受け継ぐ人間はいるんだろうか。そしてジャンルとかを超越した踊りの迫力よ。およそ踊りからイメージされるものを飛び越えた、スーパーダンス。とにかく、なんだか凄いものを見た!という感想に尽きますや。

by april_cinema | 2012-02-25 00:00 | All-Star


<< 感想_ヒューゴの不思議な発明      感想_ものすごくうるさくて、あ... >>