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2012年 03月 01日
感想_ヒューゴの不思議な発明
感想_ヒューゴの不思議な発明_b0130850_8425996.gif玄人ウケじゃね? 『ヒューゴの不思議な発明』3月1日公開。20年代フランスのモンパルナス駅に暮らす少年ヒューゴ。父を亡くし孤独なヒューゴは、父の残した機械人形を動かす鍵を探していた。偶然に出会った少女の首にぶら下がっていたのはまさに探していた鍵。動き出した機械人形は、1枚の絵を描いた。そこに残されたサインは、少女の叔父の名「ジョルジュ・メリエス」と記されていた。なぜ彼女の叔父の名が? そもそもなぜ彼女が鍵を持っていたのか。物語は、また別の物語とつながっていた。
3月1日(木/映画の日)公開 映画『ヒューゴの不思議な発明』公式サイト

大絶賛評に誘われて、胸熱冒険ファンタジーを大期待してったら肩すかし〜。だってこれファンタジーじゃなくて、めちゃくちゃ実話だから。けっこうツウな映画でかなり大人っぽくて少年心くすぐる系じゃないんですもの。映画愛にあふれまくった作品、というのは確かにそうだったけど、これに共感するにはけっこうな前提を必要としているなー。映画愛というよりも、映画史といったほうが近くて、リュミエールという名前も初めて耳にしたならば(映画を発明した人)、ジョルジュ・メリエスってのが実在の人物だったなんて後から知ったよ。映画を娯楽に変えた"映画の魔術師"なんて呼ばれた人だったってことももちろん後から知ったしね。これを知っていると知らないとでは受けるイメージが大きく違うのではないかと思うわ。

確かにモンパルナスの駅を舞台に、流麗なカメラワークと古典愛っぽい描き方自体は美しいと思った。し、懐古主義をあえての3Dでくるむというギミックもよかったと思う。けど、それにしてもちょっと見せびらかしっぽいムードというか、どや顔が見える感じがしちゃったし、なんか話の展開も大人目線であって、決してヒューゴとイザベルの目線ではなかったんだよね。彼らが映画というものの喜びに触れ、その成り立ちを知り、未来を夢見る感じならよかったのに、そういう風には見えなかったなー。あくまで、すでに発明されたものであるというのを知っている人から見た再発見の物語だと思った。どちらかというとジョルジュの再生に重きがあったように思う。それはひいては、映画本来の魅力の再生ということを謳っているのかもしれないけどね、なんか映画好きおじさんのぼやき視点に思えなくもなかったなー。意義はあると思うのだけど。

だから、展開に全然乗り切れず、いつ山場がくるんだ! きっとそろそろ来るはず! と思いながら最後まで胸熱な瞬間は訪れないまま。『リトル・ランボーズ』とか『僕等のミライへ逆回転』とかのほうがはるかにオレには刺さったなー、映画愛としては。『Dr.パルナサスの鏡』とか。ちょっと違うかもしんないけどさ。いや確かにメリエスの作った舞台は楽しそうなはずなのに、楽しそうなものとして写らなかったよ。うん、子供がはしゃぐ感じ、ひとつもしなかったもん。

でも、クロエたんをたっぷり堪能できたことには満足。なにげに『キック・アス』『モールス』はお顔をゆっくり拝見できないから、初めてこんなに長くクロエの顔をちゃんと拝めたわ。さて、というわけで日本の宣伝はやたら子供向けっぽく見えるけど、結果はどうなることでしょうか、と。

by april_cinema | 2012-03-01 00:00 | Starter


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