2012年 03月 16日
焦点どこにあたってる? 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』3月16日公開。イギリス初めての女性首相、マーガレット・サッチャー。鉄の女とも呼ばれた彼女は、引退後、夫を亡くし、現在は認知症の症状も出始めている。そんな彼女が振り返る半生。少女時代、そして政治家へ、そして首相としての戦いの日々。そこには、いつも最愛の夫デニスの存在があった。妻として、母として、女性としての、その人生とは。 映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』公式サイト||2012年3月16日(金)、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー 伝記物か、はたまたラブストーリーか、どんなサッチャーが出てくるか楽しみにしていたんだけど、なんかどっちつかずに感じてしまったのだなぁ。視点は現在からで、実際にまだご存命のサッチャーが過去を回想する形式を採用。雑貨店の娘だった頃、政治家になった頃、そして首相になり今日までの戦いの日々。しかしその回想は断片的に切り取られた年表的で、伝記映画という見方をするのは難しいかな。なんせ認知症を抱える人の視点になっているからか、混濁気味になっているので、1本の線でサッチャーを客観的に見せてくれる感じではないのです。なので、サッチャーの背景をきちんと理解してから見た方が良かったかなぁと。 予告編を見ていると現役時代のいろんな苦悩葛藤が掘り下げられそうに写るけど、実際はそうでもなくて、むしろいつもそばにいた夫デニスとの関係を考察する向きのほうが強い。のだけど、夫婦のラブストーリーと言えるところまでは強調されてないように感じたんだよな。そこがもったいなくて、結局どこを向いた映画なのか、誰に向けているのかなんとなくぼやけたように思う。どっちかというと、今サッチャーが後悔しているんじゃないか、っていう向きのほうを強く感じたなー。 主演メリル・ストリープは、さすがではあったけど、アカデミー主演女優賞を取るほどのインパクトはなかったと思うんだけれど。作品自体の力もほかの候補と比べると弱いように感じたし、なんとなくメリルの名前と役名だけで票が伸びたような印象。てか、イギリス映画でイギリス人の話をアメリカ人女優に託すというのは意外な選択。『クイーン』『英国王』みたくイギリス人に演じてもらいたかったような気が、余計なお世話ではあるけどするよ(『エリザベス』のケイトはオーストラリア人だからぎりセーフ。在英時代もあったみたいだし)。
by april_cinema
| 2012-03-16 00:00
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