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2012年 03月 31日
感想_スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜
感想_スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜_b0130850_921742.gifなんか惜しい! 『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』3月31日公開。大統領予備選を戦う民主党モリスの参謀として働くスティーヴン。モリスを信じ、彼が当選すれば必ず世界は変わると信じていた。しかし共和党陣営の手段を選ばない根回しと、インターンのモリーとの関係の中で、微妙な亀裂が生じ始める。策略、陰謀、メディア。世界最大の選挙をめぐる戦いの中でスティーヴンの運命は。
【映画:公式HP】『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』 3.31劇場公開

ライアン・ゴズリング主演作同日公開その2。ジョージ兄貴監督作品は、大好きライアン主演とくれば期待度マックスでしょう。なかなか面白かったですよ。大統領選挙っつーデカい政治戦の舞台裏。スピーチ原稿の作成、敵陣営との駆け引き、メディア戦略、データの分析、などなど印象を少しでも良くする工作と、これっぽっちも批判の隙を与えないための防御。その攻防戦の一端が垣間みれるだけでもかなり興味深いやんか〜。なるほどこういう戦いが繰り広げられているのね。候補者個人の人間性を何十倍にも増幅して戦っているんだなぁ。心理戦、情報戦、技術戦。ぞくぞくします。

中盤からはそんな前半を受けて一気にサスペンスフルモード。敵陣営からかけられたスティーヴンへの電話、予想外の予備選の展開、モリーの秘密、次から次へと予測しない事態が起き、スティーヴンは窮地へと追い込まれて行く。虚々実々とした展開で、誰の言っていることが本当なのか段々わからなくなってくる。勝つことがすべての中では、なにもかも裏がありそうな匂いがして、簡単にスクリーンに写っていることを信じられない。そもそもこれすべてスティーヴンが演じていることなんじゃないか!?という大オチまで頭をよぎったけど、そこまでじゃなくて意外にスティーヴン、素直に青二才だったわ。

後半はすべてを回収せず、解釈の余地を残す系。モリーは一体誰が…。モリスは本当に信頼に足るのか…。新しいインターンは何者なのか…。そして最後、スティーヴンは何を言い、彼はどこへ向かうのか…。熾烈な争いと人間くささが面白かったですな。なんだけど、ものすごく盛り上がったかというとそこまでじゃないんだよね。若干シナリオに力が足りなかったような気がするわ。

でも演じた役者は抜群。スマート、だけど政治の世界に心を殺されるスティーヴンをライアンがさすがの演技。インテリちらつかせながら冷酷さも見せ、ラスト表情をなくした彼にはえもいわれぬ恐怖が漂ってたもんね。ジョージ兄貴は存在感たっぷり。こんな大統領かっこよすぎー!(でも演説とかの熱さはショーン・ペンのがいいな) フィリップ・シーモア・ホフマンは曲者のベテランだけどすんごくいい人だったな、うん。ポール・ジアマッティのあの感じも最高。で、出てると知らなかったエヴァン・レイチェル・ウッドが見られて嬉しかった〜。紅一点、可愛かった〜。

この題材、これだけのキャストを考えると、もう少し緊張感高めて面白く出来たような気がするけれど、まあ及第点でしょう。

by april_cinema | 2012-03-31 00:00 | Starter


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