2012年 06月 09日
善人すぎるだろ! 『キリマンジャロの雪』6月9日公開。マルセイユに暮らすミシェルは、労働組合長を勤めている。リストラをするにあたり、彼は公平を期す為にくじ引きという方法を選択し、みずからの名前もくじに入れた結果、自分もリストラされる立場になってしまった。息子たちはそんなミシェルと妻マリ=クレールに旅行をプレゼント。憧れのキリマンジャロへの旅に期待を膨らませるが、なんと強盗に旅費ごと奪われてしまう。その犯人は、ミシェルとともにリストラにあった若い労働者のひとりだった。 映画 | キリマンジャロの雪 | オフィシャルサイト 南仏の穏やかな中でつむがれる、人としてあるべき姿の映画。なんだけど、あまりにも主人公が善人すぎてちょっとついていけなかったわ。自分もリストラ対象に入れるまではいいと思うんだよね。それは男らしい決断だし、結果は望んだものではなかったとしても、ミシェルの名誉は守られたわけだし。その行為が結果的に次の事件を生みながらも、それでいてなおミシェルとマリ=クレールは自分の利益を捨てて行動する。主演ふたりの味わいある夫婦像はとても素敵だと思うんだけど。 実の息子たちもあきれ果てるほどのいい人行為。まったく理解不能だと思ったけど、後からその善意こそが世界を救う唯一のツールだと言われると、確かにそれもそうなのかもしれないとは思うよ。確かに強盗犯だってやむにやまれぬ事情があった。彼だけを裁けるものではなかったし、その発端にミシェルがあったことからの贖罪だったのかもしれない。だけどなー、あそこまでいい人にはなれないよやっぱり。そして、だったらほかのゴマンといる不幸な人々には誰がどう手を差し伸べたらいいんだろうとも思ったし。 いやーでもそういうのを超越したところに初めて善てもんがあるのか。たぶん一般的にはみんな息子たちと同じリアクションを取るはずで、僕もご多分に漏れずで、それが普通の感覚。でも、そうではなく、私利私欲をすてて、メリットデメリットを秤にかける発想から離れないと正義は貫けないってことをメッセージしているのかもしれない。いやはや、仏の道は遠いぜ! マルセイユには行きたいぜ!
by april_cinema
| 2012-06-09 00:00
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