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2012年 09月 01日
感想_I'M FLASH
感想_I\'M FLASH_b0130850_23492713.gif難しかった。『I'M FLASH』9月1日公開。宗教団体「LIFE IS BEAUTIFUL」の若き代表ルイ。しかしある日知り合った美女の流美とドライブ中に事故を起こしてしまう。ルイは軽傷だったが、流美は意識不明。ルイは団体の解散を考え始め、そんな彼の周りに3人のボディガードが集められた。
映画「I'M FLASH」公式サイト|9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国ロードショー!

豊田作品は『空中庭園』以来。スタイリッシュでエッジの効いた作品だったけどこれをどう解釈したもんか難しいところだなー。死生観がテーマになっていることは間違いないけれど、それに対して監督はこう思っているみたいな主張がしっかりある感じじゃないものだから、どう受け取っていいのやら。反射しづらい。

鍵を握っているのはやっぱ流美。妹は教団信者でありそして自殺した。死を恐れないと言う教団の教えは妹を死に追いやった。それが理解できない姉によって死を突きつけられるルイ。そして実際に事故を起こして死の淵を経験したルイ。しかし彼はドライブ中、生死を忘れて流美に惹かれていたのではないだろうか。死んでもいいとすら思った瞬間があったのじゃないだろうか。いや逆か、死にたくないと初めて思ったということか。それまで不自由なく生きてきた自分が、初めて生の喜びを感じたことで、死を恐れるようになった。

ボディガードとの関係性の変化もそれを表している。新野との「人生楽しいか」の問いがその象徴。新野はかつてのルイと一緒で、生きる意味を見いだしていない。ってことか。しかしそれがあの結末に向かっていくという皮肉。うーん、考えてたらなんとなく輪郭がぼんやりと見えてきたような。人の生死は結局のところ操れないし、その価値は自身の中にあるということ。

わかりやすい作風じゃないけど、豊田ファンが多いのもわかるシャープで小気味いい演出。そしていつもオーバーな舞台演技する藤原君が、初めて自然な姿を披露してたのはよかったわー。それも豊田演出だそうです。

by april_cinema | 2012-09-01 00:00 | Starter


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