2012年 07月 07日
いいんだけどなんか足りない。『崖っぷちの男』7月7日公開。ルーズヴェルトホテルへとやって来た男。どこか様子がおかしく、食事した後には指紋をふきとり、何やらしたためた後、窓の外へ。ここは15階、彼は飛び降り自殺をしようとしていた。ウォーカーと名乗るその男の本名は、ニック・キャシディ。正体は元警官でありそして脱獄囚、その目的は無実を証明することだった。彼は自殺を思いとどまらせる交渉人にマーサーを指名する。彼の狙いはなんなのか、どうやって無実の罪を晴らそうとしているのか!? 崖っぷちの男 なかなかテンポのよろしいオープニングから始まって、およその背景の説明はスムーズに進んで期待が高まる。どうやらこの男、濡れ衣を着せられているらしい。何かをたくらんで、飛び降り自殺を演じているらしい。それ以外の秘密は、少しずつ明らかになっていく。交渉人との会話、その交渉人を指名した理由、自殺を止めるために動き出す警察、そして彼の指示で動く弟、それらがリンクしながら物語が展開するシチュエーションサスペンス。 だけど、緊張感があるとまでは言えないし、崖っぷちに立ったところから動きが減ってしまうため、中盤やや冗長にも感じるのが勿体ないところ。このあたりワンシチュエーションの難しさだよなー。いくら落ちそうなそぶりを見せたって本当に落ちるはずない(と思って見てる)し、事情を知らされた上で見ていると、だいたいが思わせぶりでわかりやすすぎるという指摘もできちゃいそうな気がする。なので、よく言えば最後には布石を全部回収しているんだけどちょっとイージーすぎるんだよねー。このあたりは映画を観てる量で反応はかわりそう。決して目新しくはないかな。 高所シチュエーションかつ、金持ちへの復讐という意味では『ペントハウス』とネタかぶりなところもあり。ソツなくまとまっているところも似た感じかもね。終盤はドンパチはじまってアクションモードに突入したあたりで、なんとなく強引にも感じたけどねー。いくらなんでも丸腰であそこから屋上によじ上れるとは思えないし、救命マットにキレイに飛び降りるまでは予想通りとしても、その後すぐに速攻の先頭を走れちゃう脚力は、河田兄(スラムダンク)もビックリだよ。あとは侵入者の弟君たちよく見つからなかったよね、でもあっさり見つかっちゃったよね、などなどツッコミどころも少々。そうそう、あのホテルマンがああいう役回りとは思わなかったな。 でも、深く考えずに観るエンタメ作として、上々のデキ。そこそこ楽しめると思います。
by april_cinema
| 2012-07-07 07:00
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