人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2012年 08月 04日
感想_トガニ
感想_トガニ_b0130850_10432150.gif言葉を失う。『トガニ 幼き瞳の告発』8月4日公開。ムジンという霧の多い町にある養護学校。そこに新しく赴任してきたカン先生。しかしその学校には何かおかしな空気が漂っていた。その理由は、校長先生とその双子の弟、そしてベテランのパク先生により子供達への暴行、性的虐待。カン先生は、周囲の力を借りながら校長等を相手に訴訟を起こす。しかし町の実力者である彼らは狡猾に罪を逃れようと仕組み…。
映画『トガニ 幼き瞳の告発』公式サイト│8月4日(土)よりシネマライズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

2005年に実際にあった事件を映画化したんだそう。あまりにも暗く重く、そして酷すぎる事件。善悪は明らかであり、まだ終わっていない戦いとはいえ、起きてしあった過去を今から覆すことはできないのがもどかしく、憤懣やる方ない。覆せないとしても、ではここから何を得るのか。映画は、一貫して子供達を守る視点に立つ。カン先生は自らの子とは離れて暮らしながら、教え子達を守ることを優先する。その姿に、僕達も、無関心ではいられないはず。たとえ他人の子であっても、社会として守って行くこと。それが国の未来を作っていくはずだから。

それにしても、あまりにも非道な話。憎たらしい校長たち加害者と、食い物にされる子供達。どちらを演じるのも精神的には相当きつかったんじゃないだろうか。裁判のシーン、子供達は歯を食いしばり法廷に立ち証言をする。もうそれだけで胸が痛んで仕方ない。一方、あくまで自らの罪を棚上げする学校側。彼らに善意というものは存在しないのか。クライマックスでのミンスの行動は悲痛過ぎてまともには観ていられなかったよ。

しかし映画は決して感情的になりすぎず、事実をきちんと客観視しながら、よくまとめたと思います。あまりに重いできごとですが、他人事として簡単に片付けてはいけないな。こんな事件は本当に勘弁してくれ。

by april_cinema | 2012-08-04 00:00 | Starter


<< 感想_桐島、部活やめるってよ      感想_ダークナイト ライジング >>