2012年 08月 18日
強烈なサバイバル。。『THE GREY 凍える太陽』8月18日公開。石油掘削地で狼を撃つハンターのオットウェイ。彼が作業員たちと乗った飛行機は、嵐に巻き込まれ雪原に墜落してしまう。生き残ったのは7人。極寒のアラスカの大地で助けを待つ彼らだったが、狼の群れに囲まれる。救出を待つこともできなくなり、狼と格闘しながら移動を始めるが、果たして彼らは無事に生還することができるのか。 映画『THE GREY 凍える太陽』公式サイト 8月18日(土)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー 雪原舞台のドンパチ系アクションかしらねと高をくくっていたら、そんな生半可なエンタメ作じゃないサバイバル。そんじょのホラーよりもはるかに怖過ぎてビビった。敵は、獰猛な狼の群れ、そして強烈な寒さ。原始的にも思えるネタだけど、食料も防寒も限られた中で自分たちより強くて数も多い狼から逃げるというミッションが普通じゃなかったぜ。へたなSFよりもはるかにリアリティのある危険の前に次々と脱落していく仲間たち。けど明日どころか1分後には我が身というしテュエーションゆえに、薄っぺらい余計な感傷を挟むようなひまもなく、ただただ身を縮こめるしかできないっす。 毛むくじゃらの男たちが吹雪で真っ白になりながら道無き道を行くわけだけど、一応それぞれにキャラ設定があって、和を乱すやつがいたり、生意気な若造がいたり、優しそうな男がいたり、知的なやつがいたり。でもそのキャラを活かすでも殺すでもなく、とにかく本当のリアルな危機の前ではそういうキャラだのロールだの一切関係なしって感じ。生きるか死ぬかの局面で、チープなドラマツルギーなんて木っ端みじんだったわ。そのあたりのシビアさも怖い。夜に光る狼たちの目や、素早い動き、追いかけられる恐怖、離れない遠吠え、その辺りの演出も巧みで追い詰められ感がよく出てる。単調な話ではあるのに強弱がしっかりついていて、けっこうテンポもよかった。狼は唯一復讐する動物だ、ってくだりはスクリーンのこっちでも震え上がるぞあれ。 がしかし、とにかく狼に食い殺されたり、逆に狼の頭を切り落としてみたり、けっこうウゲーてなる残虐シーンもちらほら。崖から落ちるタルゲットに川で溺れるヘンリックといい、あのあたりの救いようのなさも強烈なインパクト。そしてとどめはラスト、必死に逃げた先が……ってオチは無惨過ぎると思うのですが。 『127時間』みたいなヒューマニティがあるわけでもなく、とにかくひたすら過酷な状況で追いまくられる約2時間。心臓によくない映画でした。
by april_cinema
| 2012-08-18 00:00
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