2012年 10月 27日
予習しときゃよかったー。『危険なメソッド』10月27日公開。若き精神科医ユングのもとに、ザビーナという心に問題を抱えた女性が運び込まれる。彼女の治療のために、フロイトが提唱する談話療法を取り入れたユングは、ザビーナの幼少期の性的トラウマを探り当てることができた。ユングとフロイトはついに対面し、親子のような師弟関係を築くが、ユングはザビーナと医師と患者という関係を超えてしまい、やがてフロイトとも意見が対立し始め…。 映画『危険なメソッド A Dangerous Method』公式サイト デビッド・クローネンバーグ監督で、今最注目しているマイケル・ファスベンダーが主演、対するはヴィゴ・モーテンセンとキーラ・ナイトレイという地味豪華ラインナップに胸熱だった作品だけど、しまった予習が疎かだったかー! ユングとフロイト、名前はもちろん存じてますが、名前以上のことなんにも知りませんでした。おふたりは精神分析の研究をしてたのですね。そして20世紀初頭に活躍なさってたんですね。実際に交流があったんですね。とまあ実話ベースに、ひとりの女性をからめた物語。 演技派たちの一挙手一投足が見物で、フロイトとユングというふたりの科学者をさすがの好演。会話劇ベースながら、濃密なやりとりを繰り返し、魅せてくれる。のだけど、その会話の中身が精神科学方面が主となるもんだから、けっこう節々で言ってることについてけなかったりして…。そうなるとせっかくの演技対決も味わいきれないというがっかり現象が発生。キーラは精神病患者をものすごい気合いで演じていて凄かったけど、それもなんとなく引いてしまったぜ。怖いよ、、キーラ。。 というわけだけど、つまりは精神科学を追求するふたりでありながら、にもかかわらずふたりはいろいろな感情に翻弄されたり、実に人間らしいやり取りをする。自分の意見と反対の立場に立ったときに見せる苛立ち。自分の隠している部分を指摘されたときの焦り。そしてユングはザビーナとの関係について自分をコントロールできないところもそう。なかなか面白い題材だったし、よくできた内容だったので、もう少し登場人物に対しての知識を用意しておいたらより深く入り込めたような気がするわ。やっぱ実話もの、特に伝記がからむものは、そのくらいの準備はしたほうがいいね。
by april_cinema
| 2012-10-27 00:00
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