2013年 04月 06日
想像と違い過ぎて。『君と歩く世界』4月6日公開。5歳の息子サムを連れて姉夫婦の暮らす家へと流れ着いたアリ。ガードマンの仕事中にステファニーという美女と知り合うが、彼女が後日シャチのショーの事故で両足を失ったことを伝え聞く。そんなある日ステファニーに呼び出されたアリだが、彼は同情することもなく訪れた海辺でひとり泳ぎ出す。それを見たステファニーも海へ入ることを望み、ふたりの間には不思議なつながりが生まれ始める。しかしアリは仕事のトラブルで家を飛び出してしまい…。 映画『君と歩く世界 RUST AND BONE』公式サイト ビジュアルとタイトルに騙された〜。両足を失った美女と、それをおぶる男という絵から、勝手に泣けるヒューマンラブストーリーを想像していたらすんごい肩すかし。てか何だこの話? 何の話だったのかさっぱりわからなかったわ。主役はあくまでアリで、ステフとの交流は中途半端なまま最後には放置で終わるというお口アングリ仕様。しかもそれで別の何かの話になっているのかといえばそうでもない。なにこの収まりの悪さは? とにかく行き当たりばったりな話という印象。アリとステフの出会いもとってつけた感じで、ステフはなんであんな怪我してたんだ? 傲慢な女だってことを証明したかったのか? そのわりに付き合ってる男はショボかったよな。シャチの調教師への仕事の愛情も全然感じなかったし再起への道も示されたんだかどうなんだかよくわかんねー。で、同情の目を持たないアリに惹かれるのはまあいいけど、それにしても『最強のふたり』のような関係性が描かれるわけでもなく、ただ抱いてくれてありがとうって感じだったもんなー。 一方のアリについても感情移入するところ全然なし。ただの野獣、なに考えてるかはわからない、人間として欠落しているものが最後まで埋まらない、子供が死にかけて狼狽されても…。それで特に改心するとも思えないんですが。結局ステフのこと、どうとも思ってなかったよね? などなど。あのファイトへの執着もどこにつながっているのかいまいちわからなかったな。というかむしろあの描写がこいつはヤバい男のまま変われないんだな、というふうに思えたけど。 絵はキレイはキレイだけどうまく物語を奏でていなくて宙ぶらりん。マリオン・コティヤールは本当に美人だと思うけど、意外と見せ場は少なくて、特に感情の動きとかあんまりなかったので演技としてすごくいいみたいなのを感じる場面もあんましなくて残念。最後には知らぬ間に退場してるしね。アリ役の人は雰囲気あったと思うけど。 と、さんざんこき下ろしてもう少し考えてみると、足を失い肉体的にハンディを背負った女と、野性むき出しで動物的に生きる男の話であることは間違いない。女は男によって浮上のきっかけをもらい、その精神は肉体を凌駕したようにも思える。逆に男は、心は未熟だけどその強靭な体で生きている。そこに優劣や尊卑はないってことか。どちらのタイプでも、重要なのは生きているということなのか。うーん、ということで、とにかくどこに向かいたいのかはやはりわかりづらかったな。悪い映画ではないし退屈もしないけど、でなんなのよ?ってハテナがついてまわるかと思います。
by april_cinema
| 2013-04-06 00:00
| Starter
|
アバウト
最新の記事
information
最新のトラックバック
カテゴリ
タグ
ヒューマン/ドラマ(331)
ラブ/ロマンス(287) ミステリ/サスペンス(252) 歴史/時代/人物/事件(206) アクション/アドベンチャー(203) コメディ(180) 家族(166) アニメ/コミック(164) 青春(141) SF/ファンタジー(139) 社会(129) 実話(121) 音楽/写真/アート/カルチャー(114) ガールズ(103) ドキュメンタリー(76) スポーツ(75) フード/アニマル(58) ロードムービー(45) ホラー(38) 群像劇(37) 検索
以前の記事
2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 more... その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||