2013年 01月 19日
感想_東ベルリンから来た女
b0130850_16451673.gif東ドイツ、重いぜ。『東ベルリンから来た女』1月19日公開。ベルリンの壁崩壊の9年前、東ドイツの小さな田舎の病院に赴任してきたバルバラ。彼女は西への移住を考えていた。新しい病院で、同僚のアンドレが好意をもっているようだが彼女は心を開かない。唯一の希望は、恋人との短い逢瀬と、彼の手引きに寄る西への亡命だった。そんなとき、ある少女の治療を担当することになり…。
東ベルリンから来た女 公式サイト

静かな中に緊張感のある作品だったわ。なんつっても主演のニーナ・ホスによるところが大きいね。意志の強そうな眼差しと、心を閉ざした無表情さ、警戒心が全開で出まくっていることに引き込まれる。同僚の好意も監視社会の中では疑念を持たざるをえない息苦しさがすごい。恋人とのやりとりさえも、ひた隠しにしなくてはならないほどに。東西ドイツを隔てていたものの大きさをめちゃくちゃ感じるよ。『善き人のためのソナタ』と並んで語られるのもよくわかる。

お話はシンプルだけど、説明はほとんどないので、シュタージの感じとか当時の東ドイツについては予備知識がないと厳しいかも。そんな中で下される最後の決断が、ね…。抑圧された暮らしの中での希望と、別のひとりの人生を天秤にかけるあの決断が、自分にできるだろうか。それを思うだけでも価値のある映画かも。

そしてこうも思う、彼女があと9年耐え続けることができたのならば、壁は崩壊し、救われることができるのだろうかと。そんなこともちろん当時の人は誰一人知るはずもないのだけれど。そう思うと、歴史って運命ってなんて皮肉なんだろうとも思っちゃうよね。

クールで知的、ニーナ・ホスの印象そのままの映画でした。
[PR]

by april_cinema | 2013-01-19 00:00 | Starter


<< 感想_ライフ・オブ・パイ / ...      感想_アルバート氏の人生 >>