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2013年 02月 23日
感想_マーサ、あるいはマーシー・メイ
感想_マーサ、あるいはマーシー・メイ_b0130850_2030233.gifコワ…。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』2月23日公開。どこかから逃げてきたマーサは、姉夫婦の家にかくまわれる。この2年音信不通だった彼女を心配する姉だったが、マーサの様子はどこかおかしい。彼女は、あるカルト集団でマーシー・メイという名を与えられ、共同生活を送っていたのだった。そのときの記憶が消せず、マーサは姉夫婦ともうまくコミュニケーションをとることができない。
映画「マーサ、あるいはマーシー・メイ」オフィシャルサイト 2013年新春シネマート新宿にてロードショー

うわー、コワかったなー、これ。不穏な空気に包まれたカルトな空気が最初から最後まで。多くは語られないけれど、何が起きたのかはわかる。マーサは、最初はなにかちょっと奔放でクレイジーな女の子だったのかと思いきや、徐々に以上性癖とも言えそうな行動が明らかになっていく。姉夫妻の戸惑いは当然で、姉はよくそれを受け止めていた。いったい彼女に何があったのか? 姉と同じ疑問を鑑賞者も抱き、そして理解していく。マーサはカルト集団に迎えられ、そこで自給自足の暮らしをし、儀式と称された性交渉を強要され、気付けばそこに安らぎを感じるようになっていたということ。が、なにかをきっかけにして身の危険を感じてそこから抜け出してきたのだ。だけど、自分の意志で抜け出してきたのにもかかわらず、彼女はもとの世界に簡単に戻ることができない。それこそが洗脳、マインドコントロール。

この映画はその恐怖感を十二分に煽りつつ、おそらくこのマーサのような境遇にたつ人の苦悩を知ってもらおうと務めているようだ。いたずらに怖がらせるのではなく、こういうことが現実に起きているってことと、そこから抜け出すのは普通の人が考える以上に困難であるということ。まずはそうならないように守ることと、起きてしまったときにはみんなでサポートしなくてはならないということ。

とまあそこまでを映画で強要してるわけじゃないけど、デリケートな題材をリアリティもって切り取る手腕はおみごと。ネタがネタだけに万人受けは到底しそうにないけど、主演のエリザベス・オルセンのダウナーで危うい雰囲気かつ色気のある様子もよかったよ。こういう閉鎖ネタはちょくちょく出てくるけど、現実世界ではあまりお近づきになりたくないですね。ラストもまた巧みだったと思うわ。

by april_cinema | 2013-02-23 00:00 | Starter


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