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2013年 03月 01日
感想_フライト
感想_フライト_b0130850_20521935.gif全然クロでしょ。『フライト』3月1日公開。ウィトカー機長が乗り込むオーランド発アトランタ行き。いつも通りのフライトのはずだったが、機体は突如原因不明の急降下を始める。ウィトカーは制御のきかない機体を背面飛行させ、緊急着陸に成功。多くの命を救い一躍ヒーローとなった。しかし、その後の検査で彼の血液からアルコールが検出される。彼は果たして、何者だったのか。
映画「フライト」オフィシャルサイト

デンゼル・ワシントンのアカデミー主演男優賞ノミネートに、ロバート・ゼメキス監督とくれば期待も膨らむわな。しかもこの「英雄か犯罪者か」ってコピーもシビれそうじゃないですか。だけど全然シビれなかったよー。全然てことはないけど、コピーに踊らされちゃったというのが正確なところか。つまりこれ、シロともクロとも言えないグレーゾーンにいるウィトカーの話かと思ってたんだけど、完全なるクロだったわ。しかもそれ、冒頭の15分で明らかにされるしね。なんせアル中の女好きですから。

そんなわけで、話の先行きにあんまり惹き付けられなかったのですよね。ウィトカーのキャラがいまいち愛せないタイプで、飛行機操縦の腕が天才的であること以外は、ロクデナシなわけですよ。嫁にはとっくに愛想突かされてるわ、息子には軽蔑されるわ、同僚にはどん引きされるわ、アル中の事実をなんとか隠してもみ消してくれるよう努力してくれる人たちを裏切るわで、まるきり応援できません。彼に同情の余地を少しでも見せてくれればいいのだけど(少しくらいはあったかもしれないけど)、ちょっと肩入れできないんですよねぇ。

でもって最後の調停の場でついに事実が明るみになり、そこで彼はギリギリの尊厳を保つわけですけど、ちょっともう遅すぎるってばー。死者の名誉だけはなんとか守るけど時既に遅いってば。ラストのエピソードでなぜか息子と和解しちゃってるけど、それはずいぶん美談にしすぎだろ!っつーの。とかなんとか、調停前のホテルで酒を我慢するシークエンスからは面白かったけど、途中がちょっとダルかったですかね。期待してたものがシリアスサスペンスだったのが失敗で、そもそも娯楽作として最初から観に行っとけば楽しいと思いますわ。小憎らしいパイロットを演じるデンゼル・ワシントンがすごくよかったことも名誉のため付け加えて終わりたいと思います。

by april_cinema | 2013-03-01 00:00 | Starter


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