2013年 04月 27日
意外性あふれるゴンドリー作! 『ウィ・アンド・アイ』4月27日公開。ブロンクスのバスの車内。下校中の高校生たちがバスの中でペチャクチャやっている。誰と誰がくっついただの、今度のパーティに誰を呼ぶだの、あいつ金髪ヅラかぶってなんのつもりだ?だの。ほかの乗客にも悪さするわ、仲間にいたずらするわ、やりたいほうだいの彼らの素顔とは。 映画「ウィ・アンド・アイ」 ミシェル・ゴンドリー作品とは思えないドキュメンタリータッチの作品。全編ほぼバス車内のワンシチュエーションで、出てくるのはアマチュアたち。スクールカーストさながらの様相がバスの中にも持ち込まれながら、やがて彼ら一人ひとりの素顔を映し出していく興味深い一作。つい魅入ってしまったなぁ! 最初はね、悪ガキたちが怖すぎるわけですよ。乗客への嫌がらせが犯罪級にイヤな感じで、下りてしまう乗客もいれば、同級生のバッグを奪って窓から放り出してみたり。毎日こんなのだったら絶対引きこもるわってレベル。アメリカの高校ってみんなそうなのかよ!(監督いわく、これは演出で実際にはこんなに酷くないよ、らしいけど…) まあそんな始まりなのでウワーな感じなのですが。 エピソードが数珠つなぎに転がっいって、ゲイカップルのすれ違いとか、女の子同士の微妙なやり取りとかも浮かび上がってくる。そしてタイトルが引っかかってくるんだよね、WE AND I。仲間といるときのWEと、ひとりになったときのIは、微妙に一致していないんだよね。みんなどこか何かを演じていて、そういう思春期の感じってよくわかるよなーって。やがて思わぬドラマが持ち上がっていくわけなんだけど、このあたりの個人の揺れの描き方が秀逸。結局、彼らもそんな悪者じゃなくて、ちょっとまだ自分をつかめてなかったり迷ったりしてるだけなんだよね。 ということで、シンプルだけど奥深く、眼差しに愛がある青春映画。意外で面食らったけどいい作品でした。
by april_cinema
| 2013-04-27 00:00
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