2013年 10月 19日
難しい問題だ。『マイク・ミルズのうつの話』10月19日公開。今や日本人の15人に1人がかかるとも言われているうつ病。それは2000年以降、一般的な言葉になり、広く知られるようになってきた。映像作家マイク・ミルズは、日本を舞台に、2006年の春から夏にかけて5人のうつ病を煩う人たちの日常を追う。うつ病とはなんなのか。彼らは何者なのか。これからの時代を占うドキュメンタリー。 映画『マイク・ミルズのうつの話』公式サイト 恐ろしく稚拙な感想になってしまうけど、難しい問題だな。うつ病に関してなんの知識も持ち合わせないし、周りにいるのかどうかもよくわからないけど、周囲の人間としてどう対応していくべきなんだろう。いや、もしかしたら自分もいつかそうなるんじゃないだろうか。そんな漠然とした不安感が広がった。そう、情報によって誘導されることもあるんじゃないかなって思ったんだよな。知らなければ気のせいで終わっていたのに、知ってしまったがために流される感じってあるんじゃないかと思う。いや、流されることを責めるつもりもないし、ただ自分がそうなるのはちょっと怖いなって。弱いところがあると自覚しているだけにさ。病は気から、って真理でもあると思うので。 うつという言葉を一般的にしたのが、うつ病の薬を売るグラクソスミスクラインのCMだという話。「心の風邪をひいていませんか」という広告を見た記憶はないんだけど、これにより認知が広まり、ここからうつ病のサイト(同社が出資している)へのアクセスが増え、薬を求める人も増加したという構図。ネガティブにとらえれば、これはまさに自作自演にほかならないとも受け取れるわけで。実際にドキュメンタリーに登場する2人の女性は、そうとは知らずに利用していた。 イメージでいうと、うつ病とはもっと引きこもっているものかと思っていたけど、普通に仕事をしながら病気と闘っているんですね。それは確かにすごく大変だろうな。しかも人には見えないし、痛みや苦しみは数値化もできないし、うつに限らず病気やストレスへの対応というのは難しいよね。気を使うのがいいことも、使わないほうがいいことも、ケースバイケースだろうから。知っていることで生まれる暴力、知らないことで生み出してしまう暴力。その境界線がどこにあるのか見極めが本当に難しい。 うんうん唸りながら考えてしまいました。ひとりは、農家の娘だったら病気にはなってないんじゃないか、って言っていた。やっぱり都市のストレスというのが病気を生み出しているんだろうか。また別のひとりは、疫病みたいなものだとも言っていた。世界や歴史の大きな流れの中で、これはいつか克服される病なのだろうか。 ひたすら悶々としてしまう映画で、見たくない現実だったな、という印象です。見たくない映画ってことでは決してないんだけど。ああ難しい。。
by april_cinema
| 2013-10-19 00:00
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