2013年 11月 29日
感想_キャプテン・フィリップス
b0130850_22214419.gif耐える、映画。『キャプテン・フィリップス』11月29日公開。オマーンからケニアへの物資を運ぶ貨物船の船長として出発したフィリップス。しかし、近年増え続けていたソマリア人海賊によりシージャックを受けてしまう。彼らの侵入を許すも、フィリップスのリーダーシップでなんとか難を逃れたかと思いきや、フィリップス自身が人質に取られてしまう。救命艇で脱出した海賊と、連れ去られたフィリップスの運命は。
キャプテン・フィリップス - オフィシャルサイト|2014.3.21(金)ブルーレイ&DVDリリース デジタルレンタル開始/2014.3.5 (水)デジタル セル先行配信

2009年に実際に起きた事件を、ポール・グリーングラスが映画化! 「勇気だけが彼の希望」というコピーから受ける印象とは少し違って、ハートフルな物語ではなくシビアな現実と、人質という恐怖に耐え続ける時間だったわ。グリーングラスらしいリアルでシリアスな描写に、すっかりフィリップスに同化するかのように歯を食いしばってみてしまったわ。てか、この現代にも海賊というものが存在するなんて思いも寄らず。この事件にしても全然知りませんでした。

決してヒーローも出てこなければ、馬鹿みたいに強いやつもいない、とことんリアル物語。無闇やたらなドンパチも、超ハイスピードの殴り合いもない。貨物船の乗組員は丸腰だから、たった4人の海賊の侵入も防げないし、なんとかやり過ごしてもミラクルはおきず、フィリップスはいつ殺されてもおかしくないというね。海賊たちはアメリカに住むソマリア人コミュニティからオーディションで見つけた素人って話だけど、真に迫る怖さだったよ。。

しかし、これ単なる救出劇でもなければ、英雄譚でももちろんなくて、残るのはやるせなさ。国の事情によって海賊にならざるを得なかった若者たちと、まじめに生きてきただけ(ってのは謙遜にしても)で船長になった男。生まれた国と時代が違うだけで、こんなにも境遇が変わってしまうという事実が重くのしかかるよ。

そしてラストのフィリップスの嗚咽にならない嗚咽ね。恐怖、安堵、無力さ。あれぞアカデミー俳優の真骨頂! それがますますやるせなくさせたよ。
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by april_cinema | 2013-11-29 00:00 | All-Star


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