2013年 12月 13日
ちょっと煽り過ぎでわー! 『鑑定士と顔のない依頼人』12月13日公開。鑑定士でオークショニアであるオールドマンのところに、ある女性から鑑定の依頼が舞い込む。両親を亡くし、家にある美術品を売りたいということだった。しかし家を訪ねても依頼人は顔を出さない。なんと彼女は人前に出ることができない広場恐怖症だというのだ。憤慨するオールドマンだったが、そこで歴史的美術品の一部を見つけたことで、渋々屋敷に通うことに。オールドマンはしだいに、ミステリアスな依頼人に惹かれ始めるが…。 映画『鑑定士と顔のない依頼人』公式サイト ジュゼッペ・トルナトーレの最新作は美術ミステリ。なかなか面白かったです。が、観る前に、観た後いろいろ見返したくなりますよって言われて構えていたんだけど、うーん、そういうことではなかったような気もする。とりあえず言えるのは、どんでん返しがスゴイってことではなく、受け取り方がいろいろあるかなってこと。まあ、劇中に見落としてるタネはいっぱいあるのかもしれないけど、推理小説のように楽しむ向きのものではないと思います。普通に考えすぎずに楽しめばOKかと。 と、前段が長くなりましたが、主演のジェフリー・ラッシュの、いい年こいての童貞っぷりがかわいらしく、後半で姿を見せる女依頼人は初めて観たけど美しかったし、オールドマンの相棒になるのは修復マスターのジム・スタージェス君。ストーリーはシンプルながらも、なにかありそうだ、という空気を感じさせながら少しずつヒントを積み上げていくプロットは巧みだったなー。どれもいわくありげなんだけど、どれがどうつながってるかまでは見せない。というか、最後までそこは見せてくれないんだよね。 だからこそ、終わった後に残る余韻が秀逸。あれ、てことはあれはああだったのかもしれない。これはこうだったのかもしれない。なんて話が膨らみつつ、最終的にオールドマンにとってこの一連の事件はなにを残したのかってことだよね。クライマックスからラストシーンまでの間にあった微妙なギャップは何を意味しているんだろう。単なる最晩年の回想としてしまうのは勿体ない。もしかしたらあの後プラハでなにか一騒動あったのかもしれない。 日本での知名度はなくても達者なキャストに、巧みなプロット。楽しめる1本でした。とにかく構えすぎずに観るべし!
by april_cinema
| 2013-12-13 00:00
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