2013年 06月 15日
感想_嘆きのピエタ
b0130850_1135410.gifマザーギドク。『嘆きのピエタ』6月15日公開。債務者を保険に入らせたうえで重傷を負わせ、借金を取り立てる非常なる男、ガンド。天涯孤独の身である彼の前に現れた女は、自分をガンドの母だと名乗った。いぶかしみ、乱暴に追い払うガンドだったが、女は執拗なまでに捨てたことを謝罪し、乱暴な目にあわされてもガンドの世話を焼こうとする。その姿は、ガンドの頑だった心を溶かし始め…。
映画『嘆きのピエタ』公式サイト

キム・ギドクが本格復帰し、ヴェネチアで金獅子賞受賞と聞いたら期待が膨らんで仕方なし! してその中身は、らしさもありつつ今までのギドクとはひと味違うと感じましたよ!! 緊張感や、暴力性は残しつつも、これまでにはないほどシンプルでわかりやすいストーリーだったよ。想像力を要求するような難解さを求める人には物足りなさもあるかもしれないけど、暗示とかテーマ性は十分にあったと思う。

ピエタってのは、十字架から降ろされたキリストを胸に抱くマリア像のことだそうで、つまりこの映画のテーマは母性や母の愛。初めて出会う自分の母親とその無償の愛に触れる男。そんなものは必要としていなかったし、信じてもいなかったはずなのに、気付けば求めてしまうもの。生まれたときから母の愛を求める本能ってインストールされているものなのかもしれないと思わせる。そして、ラストで見せつけられるもう一つの母の愛の形。我が子のためならばすべてを投げ打てるというそのチカラには、この映画では温かみではなく凄みと哀しみを突きつけてくる。

おかあさん役のチョ・ミンスが良かったよねー。キレイだし、前進で母親の業を体現してくれてて、鬼気迫るほど。日本人女優の誰かに似ているような気もしたけど誰だろう。ガンドが、けっこうあっさり母親に甘え始めたのはちょっと性急な気がしたのと、やはりちょっとストーリーがわかりやすかったのが、ギドクにしては荒々しさが足りないようにも思ったけど、これが新しい彼の姿なのかもしれませんな。次回作『メビウス』は9月に韓国公開ってことなので、2014年には日本でもかかるでしょうか。タイトルからすると『うつせみ』的なギドク節を期待しちゃうなー! 楽しみ!!
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by april_cinema | 2013-06-15 00:00 | Starter


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